日本人FIFAクラブW杯出場多数の岩田卓也選手がケガから復帰し、まずはU23のAuckland Cityオーバーエイジ枠で活躍している。2023年6月10日はU23の首位Bay Olympicとの試合だった。
前半、お互いにせめぎ合いをしつつも得点にはつながらない時間帯が続く。岩田選手は前に出ながら中盤もカバーしつつ、指示を出しながらボールを捌き、チームの動きを安定させていた。しかしチャンスを作ろうとするも0−0での折り返し。
が、後半に入ってわずか2分後、Auckland CityのStipe UKICH選手のシュートが決まり、まずは先制。さらに後半10分ほどで岩田選手もパスをつなぎ、Auckland CityのRyan REVILL選手がさらに追加点で2点差に。ここでBay Olympicも激しく攻勢に出て5分後、一度岩田選手がゴール前でクリアするもあらためて攻め込まれ、ゴール前のせめぎ合いの中でBay OlympicのIsaac DYE選手のボレーシュートが決まり、一点差に縮められる。一瞬Bay Olympicの勢いが強まるも、岩田選手がしっかりとプレッシャーをかけて押さえ込みつつ、さらにAuckland Cityが後半25分で3点目をもう一度Ryan選手が決め、再び2点差に引き離す。
試合終了の時間も迫ってくる中、両チームますます激しく攻勢に出て、一時はゴール前に攻め込まれ危ない場面もあったが、Auckland CityのGKのNicolas EVANS選手がナイスキープ。試合終了間際、最後まで集中力を保ち攻勢を崩さないAuckland Cityが、Jeremy FOO選手のダメ押しの4点目を決め、タイムアップ。首位Bay Olympic相手に4−1の快勝という結果で終わらせることができた。岩田選手は日本人選手らしい多才で柔軟なプレーで攻守の役割をこなし、ときには前線でシュートも放ち、また中盤や自陣で安定したボール捌きで援護することで若手選手も伸び伸びと攻撃していて、チームの精神的支柱となっているのが見てとれた。
試合後に岩田選手へお話を伺ったところ、「ヒヤッとする場面もあったけれど、キーパーが止めてくれて感謝です。今回はU23首位チームとの対戦で良い結果になってよかったです。ただ、自分としては、ワンタッチでボールを回すようなもっとスピーディなペースでのパフォーマンスをイメージしながらプレーしているので、もっとハイレベルな状況で自分のパフォーマンスを存分に発揮できる場に出ていければと思います」とのことだ。今回は首位チーム相手とは思えない安定した強さを見せつつ、謙虚な姿勢の中にもさらにもっとハイレベルな場で戦いたいという歴戦の選手ならではの意気込みに、ますます今後に期待せずにはいられない!
Photo & Text: GekkanNZ, Emi Sakai