労働党と並ぶ2大政党のひとつ。
国際民主同盟に加盟している中道右派の保守政党
キャッチフレーズ:Get our country back on track
主軸となる3つの公約
・経済を立て直して生活費を削減する
・法と秩序の回復
・学校と医療の改善
犯罪対策
公共の場でのギャングのワッペンや記章の禁止。警察の権限により、公共の場でギャングの構成員が集まったり、重大な犯罪を犯した構成員同士が交流したりするのを禁止する。また、警察に銃器禁止令を発令する権限が与えられる。
10~17歳の若年犯罪者を対象としたカテゴリを創設。若年犯罪者向けの士官学校を創設し、15~17歳の犯罪者を最長12カ月間送る。若者が犯罪を繰り返す連鎖を断ち切るため、専門の地域団体や機関に資金のサポートをし、更生を促す。
裁判官の減刑権限を制限し、有罪判決を受けた犯罪者に対する処罰を強化する。被害者に対してはカウンセリングやメンタルヘルスの支援、法廷審理に出席する際の交通費を援助するなど手厚くサポート。犯罪者が懲役を経て適切に社会復帰できるよう更生プログラムの拡大に取り組み、長期的に犯罪そのものを減らす。
教育対策
経済状況に関わらず、すべての子供たちに基礎的な学習の場を与える。学力低下の要因となる学校内でのスマートフォンの使用を禁止する。
医療対策
看護師・助産師といったヘルスケアワーカーの数を確保するため、ニュージーランド国内で卒業後最低でも5年間その職業に従事することを条件に、上限を設けて学生ローンの返済をカバーする。ニュージーランドでの就職を希望する海外の看護師や助産師有資格者に、ジョブオファーなしで6ヵ月の一時ビザを発給し、移住支援制度も設ける。
乳がん検診の無料化を現在の69歳までから74歳までに引き上げ。
医師不足解消のため、ワイカト大学に3番目の医学部を設立し、地方にもサテライト研修センターを設置。2025年からオークランドとオタゴでの医学部の配置数を合計50校増やす。
気候変動対策
気候変動対策に欠かせない再生可能エネルギーを確保するため、太陽光・風力・地熱を含むクリーンエネルギーへの投資手続きを緩和。
遺伝子工学(GE)と遺伝子組み換え(GM)技術の事実上の禁止を解除し、農家に作物・飼料・家畜に必要なツールを提供して農業部門を縮小することなくメタン排出削減を実現する。
インフレーション対策
準備銀行の業務をインフレーション抑制に集中させる。賃貸不動産の利息控除の復活。公正賃金協定法案の撤回。政府による新しい雇用税計画の中止。移民政策を見直して企業が望む人材を確保し、失業給付金の受給者を減らす。インフレに応じて税率を調節し、低・中所得者の所得税率を引き下げる。政府支出を見直す。オークランドの地域燃料税およびライトレール税・自動車税などを緩和する。
子育て支援
保育料に対して週最大75ドルの保育税還付制度であるファミリーブーストを導入。年収18万ドル以下の世帯を対象に、幼児教育費の25%が割り戻される。
有給育児休暇をパートナーと柔軟に共有できるように改定。各自が最良と考える方法で取得可能にする。
若者への支援
18~24歳の無職者を対象にした就労支援。専任のジョブコーチがつき、言語問題・学習障害・薬物およびアルコール依存症・仕事スキルの欠如といった障壁をクリア。この就労支援プログラムに参加して就職が決まった場合、奨励金が支給される。
住宅問題対策
住宅用地の縛りを解放し、建築可能な場所を増やす。新しい住宅をより多く提供する自治体に対し、奨励金を支給する。
インフラストラクチャー対策
現行のスリー・ウォーター政策を廃止し、飲料水・雨水・排水を各自治体が管理するローカルウォーターダンウェルプランに置き換える。所有権と管理は自治体に移るが、中央政府の監督は強化し、水インフラの質と継続的な提供を維持する。
将来必要とするインフラストラクチャー構築のため、国内および海外の投資家から資金調達を行う。
道路網の修復と強化に注力し、ステート・ハイウェイと地方道路の修理に5億ドルの基金を創設。道路にあいた穴の修理対応時間は現在48時間だが、その半分の24時間以内に対応。道路を整備することで運送事業者が物資を配送する時間が短縮され、商品の値下げにつながる。運転する道路環境をより安全にし、制限速度の引き下げ・スピードバンプの設置などを廃止する。
2023年9月号掲載
Text: Miko Grooby