個人の自由と自己責任をモットーに
小さい政府を目指す自由至上主義政党
キャッチフレーズ:For real change
主軸となる3つの公約
・犯罪者に対する処罰の厳格化
・無駄な政府支出を削減
・人種差別に基づく政策を終了する
経済対策
政府の不要な支出を減らすため、公共サービスの規模を2017年レベルまで縮小。クリーンカー割引や気象緊急対応基金といった非効果的な制度の廃止。人口統計省の廃止。企業の福利厚生政策の廃止。
所得に対する5つの税率を17.5%と28%の2つに引き下げ、すべての労働者に対して減税を行う。
インフラストラクチャー対策
現行のスリー・ウォーター政策を撤廃し、自治体による水資源の管理を維持。水インフラの新築に対して政府が徴収するGSTの半分に相当する年間12億ドルを地方議会に返還する。地域に合わせた水インフラのアップグレードのため、30年間にわたる中央政府と自治体のパートナーシップ協定を確立する。
制限速度の引き下げ問題
オークランド交通局は市内の1600もの道路の制限速度を時速10kmまで引き下げた。ほかにも全国各地で制限速度が大幅に引き下げられているが、ACTはこれに反対している。
犯罪対策
ギャング規制法を導入し、警察がギャングリストに載っている個人に対して差し止め命令を裁判所に申請できるようにする。違法な銃器を所持したギャングの資産を押収する権限を強化。ギャングの収入と支払った税金の調査を行う。
万引き犯に対して罰金や社会奉仕といった処罰を即座に適用する。重大な犯罪を犯した青少年を対象とした足首ブレスレットを導入し、常に監視できるようにする。
被害者に対する賠償制度を改革し、支払いの遅れや不払いが起こらないようにする。
2010年にACTの発案で制定されたスリー・ストライク制度(例:3回の窃盗罪を犯すと仮釈放なしで最低3年の懲役が科される)の復活。
暴力犯罪者に対する電子監視の使用を見直し、刑務所の収容人数削減という現行の目標を廃止する。
仮釈放前に服役囚へのスキルやリハビリプログラム完了を義務付け、更生につなげる。
人口増加に応じて警察官の人員配置予算を自動的に調整する。
教育対策
年間2億5000万ドルの優秀教育報奨基金を設立し、専門能力の向上を促進する。生徒の出席状況を全国レベルで把握できるよう、各学校に毎日報告を義務付ける。不登校に対する措置を講じる信号システムを作成し、学校が不登校児に対応できるよう支援する。
教育省事務部門の官僚の数を50%減らし、年間2億4000万ドルを節約、教育の現場に還元する。
すべての子供に生涯学習アカウントを提供。
全州立学校がパートナーシップスクールになることを申請できるようにし、教育システムの選択肢を増やす。
人種ベースの政策問題
ワイタンギ条約の原則という言葉の解釈を国民投票にかけて明確に定義する。スリー・ウォーター、マオリ保健局、人種に基づく協議を義務付ける資源管理法といった政策を廃止する。人種ベースではなく現実のニーズに基づいた公共サービスを提供し、差別的に扱われない社会を実現する。
ゼロ・カーボン法問題
ACTは全政党の中で唯一ゼロ・カーボン法に反対し、廃止を提案している。
2023年9月号掲載
Text: Miko Grooby