究極のトレイル体験でニュージーランドを制覇 Te Araroa(テ・アラロア)

3,000kmのロングトレイル ニュージーランド縦断 「テ・アラロア」の魅力 AREA GUIDE

テ・アラロア(Te Araroa)とは、ニュージーランドを南北に結ぶ全長約3,000kmのロングトレイルである。国内のみならず、世界中から集まった数十万人ものハイカーがトレイルを歩いており、毎年数百人から千数百人ほどが踏破しているという。ゆうに数か月はかかるこの難関が、なぜ多くの人々を魅了するのか。テ・アラロアの魅力に迫った。

マオリ語で「長い小道」を意味する

2011年に正式にオープンして以来、熱心なハイカーや冒険好き、自然愛好家に人気のコースとなっているテ・アラロア(Te Araroa)は、ニュージーランド全土にまたがる長距離自然散策路である。

北はケープ・レインガから南はブラフまで、全長約3,000キロにわたる多様なコースは雄大な風景や地形が広がっており、ニュージーランドの豊かな自然を通して、さまざまな生態系との出会い、刻々と変化する風景を目の当たりにするまたとない機会を提供してくれる。

テ・アラロアを歩くハイカーは、険しい山々、鬱蒼とした森、海岸沿いの道、そして都市部を横断し、ニュージーランドの自然や文化の多様性を体感することができる、伝統的な山岳トラックとは異なる種類の自然散策路となっている。

テ・アラロアは、短い日帰りハイキングから、より過酷な数日間のトレッキングまで、多くのセクションに分かれている。ハイカーは好みのルートやペースを柔軟に選べるので、幅広くアウトドア愛好家に適しており、ニュージーランドの特徴である自然の美しさと魅惑的な風景を紹介し、忘れられない冒険を提供している。

出発前の必携心得

アウトドアで楽しい時間を過ごすために、5つの簡単なルールを知っておこう

1. 綿密な計画を立てる
2. 旅行計画を家族や友人に知らせる
3. 常に天候に注意する
4. 自分の限界を知る
5. 十分な装備

また、ハイキングやウォーキングの愛好家のためのアプリ”Plan My Walk”の利用もおすすめだ。このアプリはハイキングやウォーキングをより楽しみ、計画的に行うための便利なツールであり、ハイキングやウォーキングのためのコースの計画、ルートのナビゲーション、天候情報、登山道情報、記録と情報共有、ガイドとアドバイスの機能があり、ハイカーにとって役立つ情報やツールを提供し、アウトドア体験を豊かにする役割を果たす。

Te Araroaマップ
*天候や道路の状態によって通行止めになるトラックやコースがある 場合もありますので、計画を立てる際にはTe Araroaの公式ウェブサイトやカウンシル、CODのウェブサイトで事前にご確認ください。

★難易度が高いコース

1. Richmond Alpine Track

Marlborough, Nelson/Tasmanエリア

距離: 95.7 km
走行想定日数: 5日〜7日

Richmond Alpine Track

壮大な山岳風景
南島に位置するリッチモンド山脈の景観は非常に壮大で、自然散策路は常に標高1,500メートル以上に位置し、変化に富んでいる。険しい地形と急な上り下りが特徴で、気象条件も厳しく、水源が限られているなど、最もハードなセクションの一つ。このエリアは岩場が多く、急な斜面や川の侵食により地面が滑りやすく、川渡りが頻繁にあり、体力と経験、慎重な注意が必要だ。

2. Waiau Pass Track

Canterbury, Nelson/Tasmanエリア

距離: 115.5 km
走行想定日数: 4日〜5日

Waiau Pass Track

アルプスの原野を探検
サザンアルプスの雄大な山々がそびえ立ち、周囲に広がるパノラマの景色、ブナ林、高山の牧草地、そして岩場など、多彩な風景が楽しめる。一般的な自然散策路に比べて比較的訪れる人が少ない場所であり、自然の中でのびのびと冒険を求める経験豊富なハイカーに最適。ただし、急斜面や雪原、雪崩の危険性があるため、適切な装備と経験が不可欠となる。

3. Round the Mountain Track

Manawatu-Whanganuiエリア

距離: 57.9 km
走行想定日数: 4日〜6日

Round the Mountain Track

火山の荒々しく美しい景観
このトラックは、活火山ルアペフ山の山腹に広がる、多彩な火山景観と高山植物が楽しめる、比較的人里離れたコース。ここでは何十万年もの間、火山の力がこの荒々しく美しい景観を形作ってきた氷河の渓谷や湧き出る滝、また北島で唯一のランギポ砂漠地帯では、火山岩の広大な平原が広がっている。砂漠地帯を抜け、ルアペフ山南麓までは起伏が続く。

4. Whanganui River

Manawatu-Whanganuiエリア

距離: 119.2 km
走行想定日数: 4日〜6日

Whanganui River

水辺の美と文化の調和
草むらを越え、藪を抜け、雄大な川をカヤックやカヌーで巡るコース。ファンガヌイ川は、ニュージーランドのグレートウォークネットワークの一部で、中流域から下流域にかけての低地には、川を囲む豊かな緑が広がり、ワンガヌイ国立公園の中心部を形成している。時に急流を進むため、体力があり、カヤックやカヌーに自信や経験者向きのトレイルだ。

★初心者でも楽しめるコース

5. Bream Tail
  Mangawhai Walkway

Northlandエリア

走行想定日数: 1日

Bream Tail Mangawhai Walkway

海岸線に沿ったこのコースは、砂浜や岩場、そし て澄み切った海の美しさを楽しめる。また、農地を横切るトラックには様々な生態系が広がり、鳥愛好家にとって野生動物や海鳥を観察できる魅力的な場所。さらに、ブリーム・ヘッド、ヘンとチキン島、そしてグレート・バリア島など、ハウラキ湾の素晴らしい景色も堪能できる。

6. Puhoi Track
 

Aucklandエリア

走行想定日数: 2時間

Puhoi Track

オークランドの北40km、マタカナワインカントリーへの玄関口であるプホイのトラックは、プホイ渓 谷を通り、プホイチーズ工場を通る1キロのコース。 プホイ川にかかるスイング橋を渡り、カウリの若木や手つかずの原生林が、太古のニュージーランドを垣間見せてくれる。ゴールポイントは歴史的なプホイ・パブの向かい。

7. Coromandel Walkway

Thames-Coromandelエリア

走行想定日数: 7時間

Coromandel Walkway

農地の散策やマウンテンバイクで進むこのコースは、ピナクルズ、グレート・バリア島、そしてレパンガ島を一望できる海岸沿いの森を抜ける。コースは緩やかな勾配が続くが、ポーリー・ベイを出入りする際に急な上り坂が待っている。このコースは、初期の開拓者たちが2つの湾を結ぶために使った歴史的なルートの一部だ。



8. The Timber Trail

Manawatu-Whanganuiエリア

走行想定日数: 1日

The Timber Trail

このサイクリングトレイルには、ニュージーランドで最も高くて長い橋を含む35の橋が架けられている。古いブルドーザーやトラム、運搬用の道路、8 つの大きな吊り橋、森の壮大さ、鳥の鳴き声など、 北島の中央を横切る85kmの道のりを蛇行しながら、信じられないような景色に驚かされることだろう。

9. Te Kauwae-a-Māui /
  CapeKidnappersWalkingTrack

Hawkes Bayエリア

走行想定日数: 5時間

Te Kauwae-a-Māui / CapeKidnappersWalkingTrack

クリフトンからキッドナッパーズ岬まで、断層や傾斜線の入った崖に沿って歩くコースは、かつての地形の進化がみて取れる。ここは世界最大の本土カツオドリのコロニーやコビトペンギン、ミヤコドリなどの野生動物の生息地として知られている。丘の上からは、コロニーとホークスベイの壮大な景色が一望できる。

10. Latters Spur Track
 

Otagoエリア

走行想定日数: 1日

Latters Spur Track

ハウェア湖からハウェア川に沿ってワナカまで緩やかに歩く、または自転車で走行するコース。このルートはアルバートタウン、クルーサ川、そしてワナカ湖の源流に至り、湖を背にした位置から、サザンアルプスの壮大な景色に感銘を受けることだろう。 またワナカ湖畔では、カフェやレストランで散策のご褒美を味わえる。

11. Gladstone to Wānaka
 

Otagoエリア

走行想定日数: 1日

Gladstone to Wānaka

ハウェア湖からハウェア川に沿ってワナカまで緩やかに歩く、または自転車で走行するコース。このルートはアルバートタウン、クルーサ川、そしてワナカ湖の源流に至り、湖を背にした位置から、サザンアルプスの壮大な景色に感銘を受けることだろう。 またワナカ湖畔では、カフェやレストランで散策のご褒美を味わえる。

12. Long Hilly Track and
  Tihaka Beach Track

Southlandエリア

走行想定日数: 1日

Long Hilly Track and Tihaka Beach Track

ロング・ヒル・トラックは、かつて1800年代に国内最大の鉱山集落であった歴史的な鉱山跡を巡るコース。トラック沿いには、伐採用トラムライン、手で掘られた水路、アースダムなど鉱山跡が数多く残されている。ティハカ・ビーチ・トラックでは美しい海岸線が広がり、サーフィンも楽しめるスポットとなっている

2023年10月号掲載
Text: Mariko Mckenzie

タイトルとURLをコピーしました