日本を発つ時に多くの物を断捨離してきた私にとって、なるべく物を増やさずよりシンプルにミニマムに暮らすと言うのが人生のテーマになっている。ガーデニング道具も然りで、併用やミニマムを心がけてきた。でも、やりすぎはいけないと、ここ最近実感している。以前購入した長靴に穴が空いたが、トレッキングシューズで併用しようと数ヶ月頑張ってみた。だが、冬の湿った芝を往復しているうちにその気持ちも萎えた。新しく購入した長靴は、なんと快適な事か!!仕事効率も上がるし、何故早く買わなかったのかを後悔した。
そして日本製の草引き鎌。以前購入したフラックス鎌があるし、少し使いづらいけど2つもいらないだろうと買い渋っていたが、結果購入。使用したら雑草の根や土の表面をスパッときれいにさらってくれて、仕上がりも全く違った。芝のエッジカッターも、スコップで併用できると頑張っていたが、実際購入。使用したら専用の道具だけあり、仕上がりと効率が全然違った。もったいない精神のトラップと、シンプルでありたい気持ちに翻弄され無理して併用を続け、結果作業効率も落ちて、精度も落ちたら元も子もない。という訳で、サビついて刃がかけているフラックス鎌は処分することにした。あなたの家の倉庫にも、穂先のすり減った、もう何年も使っていないガーデンブラシがあったりしないだろうか?全てを一気に買い揃えるのは難しいにしても、良い道具はやっぱり良い!併用やミニマリズムに引っ張られすぎた自分を、少し軌道修正の今日この頃。
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。
【ブログ】naomigarden8.com
2023年10月号掲載