クマラ Kumara
クマラは、マオリの人々によってニュージーランドに持ち込まれた伝統ある根野菜として根付いています。日本ではサツマイモ、他国ではスイートポテトとして知られていますね。”Kaore te kumara e korero mo tona reka” 『クマラは自身の美味しさを語ることはない』というマオリ語のフレーズが残っていますが、生活に密着した食材であることが伺えます。新年を祝うマタリキでも、土の中から熱々を掘りおこすハンギ料理の食材として使われていますね。
秋に収穫されたクマラは寒さと共に糖度が増し、冬の食材として豊富に市場に並び、食卓に登場する機会も多くなります。 食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンを含む、体にも嬉しい食材です。
クマラのメドレー・グラタン
~マタリキ・ウィークに作ってみてはいかがでしょうか~
ご家庭のオーブンで作る熱々のクマラ料理、グラタン皿などベーキング用の平たい器、又は大きめの鉄製スキレットなどで、40分~50分ほどオーブンの中でゆっくり調理します。
オレンジ・レッド・パープル・ゴールドなど数種類のクマラを使って、色ごとに立てるようにして配置することで華やかな出来ばえになり、それぞれの味の違いを楽しめます。 (細身の同サイズのクマラを使うと綺麗に並びます) 種類が揃わないときは、代わりにパースニップやビーツなどを加えても味や食感の変化が出て良いですね。 ビーツを使う場合は、赤い色が他の野菜にも移るので、少量にして、色移りを意識して並べるとバランスが取りやすくなります。
(サイドディッシュとして4~5人分、2 Litter 容量のベーキング皿を使いました)
材料
クマラ各種(又はパースニップ・ビーツなどと合わせて):全量で900g〜1kg
バター適宜:オーブン用容器に塗る分
ガーリック:2個(細かく刻む)
クリーム(生クリーム):250ml
削ったパルメザンチーズ:大さじ4(約25g)
塩(あればハーブソルト):小さじ1
黒コショウ:少々
生ハーブ(タイム・ローズマリーなど):刻んで大さじ1(ドライハーブなら小さじ ½ )
※ハーブはお好みに応じて量を加減してください。
仕上げ用チーズ(チェダー・エダムなど削ったもの):80g
作り方
❶オーブン用耐熱容器の内側にバターを塗り、刻んだガーリックを散らす。
❷ボウルに生クリーム、パルメザンチーズ、塩、胡椒、刻んだタイムを混ぜ合わせる。
❸クマラその他の野菜は4mmほどの幅にスライスする。(パープルクマラ、パースニップ、ビーツを使う場合は皮を剥く)
❹スライスした野菜1種類6~7枚を❷のクリーム液に入れてくぐらせ、オーブン容器の端から立てるようにして並べる。次の種類の6~7枚をクリーム液に入れてくぐらせ、隣に立てて並べる。これを繰り返して彩りよく容器に詰めていく。(途中ランダムに向きを変えると変化が出る)
❺最後ボウルに残ったクリーム液を上からかけ、ホイルで容器全体を覆う。180℃~200℃に予熱したオーブンに入れ、30~35分、野菜がある程度柔らかくなるまでBake機能で蒸し焼きにする。
❻ホイルを外し、仕上げ用のチーズを全体にかけ(ホイルなしで)更に10分ほど焼く。こんがり良い色がつき、上部がクリスピーな仕上がりになったら完成。タイムなどハーブを散らし、熱々のうちに食卓へ。
佐々木由美さん
料理家ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で12年目。地元だけでなく北島・南島からの参加者もいる教室は今やワナカのアクティビティの1つに。NZの旬を取り入れ、日本の文化や風習とともに紹介する季節のレシピを軸に、遊び心ある融合スタイルも提案。ベジタリアン・オプションやグルテン・フリーにも対応。宿・ささの木も経営する。
【Web】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】Japanese cuisine cooking class @wanaka
【IG】yumi.matcha.wanaka