ニュージーランドニュース「ニュージーランドの観光客への入国税大幅引き上げ」ほか

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ラクソン首相、特定の民族グループを優先する医師を非難

ラクソン首相は、ホークスベイの医療従事者らが若いマオリやパシフィカを優先して治療していることについて「行き過ぎ」だと非難した。首相はシェーン・レティ保健大臣を介入させ、マオリやパシフィカの若者を優先する政策の変更を要求した。レティ大臣は「ホークスベイのターゲット政策は政府の政策声明に反している。医療サービスの提供は、ニーズに重点を置くべきだ」と述べた。これに対し、労働党のクシュラ・タンガエレ・マヌエル氏は「医療制度においてマオリに焦点を当てることには正当な理由がある」と述べたが、レティ大臣はマオリと非マオリの両方に大きなニーズがある可能性があるとして、政府がこの政策を廃止する立場を貫いた。

条約原則法案への批判高まる

9月11日、ACT党のデイビッド・シーモア氏が提案している条約原則法案(Treaty Principles Bill)に関する三つの原則が、政府によって合意され、発表された。しかし他の党の間ではこの法案に対する批判が高まり、ワイタンギ裁判所はこの法案を不公平で差別的と非難した。法案の提案内容は、既存の条約原則を新たに3つの原則に置き換えるもので、シーモア氏はこれにより確実性と明確性が提供されると述べているが、国民党とNZファースト党は「この法案はニュージーランド全体の意見を反映していない」とし、反対する意向を示している。法案は11月18日に議会に提出され、11月21日に初読が行われた後、委員会で6ヶ月間審査される予定だ。

郊外の不動産価格下落

CoreLogic NZのデータ『Mapping the Market』によると、郊外の不動産価格は2024年の初めに大幅に上昇したものの、最近の四半期では明らかに減速した。特にオークランドやネイピア、ウェリントン、ネルソンなどの地域で、より急激な下落が見られる。例外は南島のアロータウンで、その平均価格は245万ドル、国内で5番目に高価な郊外となっている。アロータウンやクイーンズタウンは市場全体がライフスタイルエリアとして人気が高く、観光客やセカンドハウス所有者の間で幅広い人気を誇っている。CoreLogic NZのチーフ不動産エコノミスト、ケルビン・デイビッドソン氏は、市場は2025年まで低迷し続けると予想している。

2027年からガソリン車にも道路使用料の可能性

早ければ2027年から全ての自動車に道路使用料(RUC)が課せられる可能性がある。道路の建設と維持管理の資金は、主にガソリン税収入と、電気自動車やディーゼル車の持ち主が支払うRUCから構成されている。シメオン・ブラウン運輸大臣は、オークランドで開かれたビルディング・ネイションズ会議で、全ての自動車が燃料税から脱却しRUC制度に移行すると発表した。2025年には立法が進められ、2027年に開始する可能性があるとしている。ブラウン氏は、「この移行により、車種に関係なく、すべての道路利用者が道路維持に公平に貢献することが保証される」と述べた。

社会

マオリ王死去、新たに女王を選出

8月30日にマオリの王キンギ・トゥヘイティア・ポタタウ・テ・フェロフェロ7世が69歳で死去したのを受け、マオリの新しい君主として、ンガ・ワイ・ホノ・イ・テ・ポ・パキ氏が女王に任命された。新女王は先代のキンギ・トゥヘイティアの3人の子供の末っ子で、現在27歳。儀式では数千人が見守る中、父王の棺の横の玉座に座った。新女王は、父王の棺とともにワカ(マオリのボート)に乗ってワイカト川を下り、マオリにとっての聖なる墓地であるタウピリ山の麓まで旅した。王の棺はタウピリ山の頂上まで運ばれ、歴代のマオリ王とともに埋葬された。王の訃報に接し、多くのマオリ人、非マオリ人が弔問に駆けつけ、痛みと悲しみを共有した。

ニュージーランドの観光客への入国税大幅引き上げ

10月1日より、ニュージーランドを訪れる旅行者に課される国際観光客保護観光税(IVL)が100ドルに引き上げられた。IVLは2024年9月までは35ドルに設定されており、倍以上の増額になった。マット・ドゥーシー観光大臣は、「外国からの観光客はニュージーランド経済において非常に重要な役割を果たしているが、同時にインフラへの負担や、保護地域の維持管理費の上昇など、地域社会へのコストも伴う。増税による資金は、経済成長の促進と自然保護の支援に活用する」と述べた。一方で、IVL値上げはニュージーランドの観光競争力に打撃を与えるとの見方もあり、資金の使い方の計画について観光業界との協力が求められている。

オークランドでヘイト犯罪の懸念

9月2日にクイーン・ストリートで、若い女性が見知らぬ女性から暴行と脅迫を受けた。被害者はSNSの投稿で、犯人は背後からスカーフをひったくり、「自分の国へ帰れ」と叫んだと説明した。被害者は地面に投げ出され、蹴られ、顔や背中、肋骨に傷を負ったが、暴行を目撃していた通行人は誰も彼女を助けず、警察への通報もしなかったという。オークランド中心部では近年、ヘイト関連犯罪に対する懸念が高まり、市内の安全性が厳しく調査されている。2022年1月から2024年1月までに報告された9,351件のヘイト事件のうち、3分の1以上がアジア系を標的としており、次いで有色人種を標的としたものが8.9%、マオリを標的としたものが7.2%となっている。

携帯電話禁止後の学校文化の変化

オークランドのマウント・アルバート・グラマー・スクールは、政府が全国的に学校での携帯電話禁止令を施行してから、文化が大きく変化したことに気づいた。校長のパトリック・ドラム氏によると、禁止令以前は、休み時間になると生徒は常に目線を下げて画面を見ていたという。それが今は、活発に会話したり、体を動かしたりしている状態に変わったと説明し、この変化を歓迎した。一方、パパトエトエ高校の校長であり、ニュージーランド中等学校校長協会(SPANZ)会長のヴォーン・クイヨー氏は、自分の学校ではそれほど大きな変化は感じていないと語った。学校からのフィードバックは多岐にわたり、休み時間中に教室外での携帯電話の使用の禁止を強制するのは望ましくないと判断した学校もあるという。

生活

アイスクリーム&ジェラート・アワード2024

アオテアロアの「アイスクリーム&ジェラート・アワード」の2024年度受賞者が発表され、リトル・ラト(Little ‘Lato)のビーガン・マンゴー・ラッシー・ジェラートとニュージーランド・ナチュラル(New Zealand Natural)のミルクチョコレート・アイスクリームが、名誉ある「ニュージーランドで最も美味しいアイスクリーム・ジェラート」に選ばれた。リトル・ラトは2017年にオークランドに設立されたジェラートメーカーで、現在、市内初となるスクープショップをポンソンビー通りにオープンする準備を進めている。ニュージーランド・ナチュラルは、天然色素と天然フレーバーを使用したアイスクリームメーカー。1984年にクライストチャーチで設立され、現在はオークランドに本社を置いている。

ニュージーランド最大のKmartオープン

オーストラリアの低価格チェーンKmartは、オークランド北西部のウエストゲートに、ニュージーランド最大の新店舗をオープンすると発表した。新店舗は2026年オープン予定で、CostcoやHarvey Norman、Bunnings、Briscoesなどの大手小売店の集まるウエストゲート中心部に建設されている。シルビアパーク店やマヌカウ店と同様、24時間営業を予定している。新店舗では、より広い通路、大胆なグラフィック、そして幅広い商品ラインナップが計画されており、手頃な価格の家庭用品、家具、電化製品、おもちゃ、衣料品を最大規模で提供する予定だ。人気施設がオープンすることで、ウェストゲートの交通網への負担を懸念する声もある。

芸能・スポーツ

パラリンピック大健闘

9月8日に幕を閉じたパリ・パラリンピック2024で、ニュージーランドは、金1個、銀4個、銅4個、合計9個のメダルを獲得した。アナ・グリマルディ選手は、女子100メートルT47での銅メダルに加え、女子200メートルT47でオセアニア記録を更新してニュージーランドに初の金メダルをもたらした。他に、パラカヌー男子200mVL3で見事銅メダルを獲得したピーター・コーワン選手、女子100メートルT36、女子200メートルT36でダブル銀メダルを獲得ダニエル・エイチソン選手、女子砲丸投げF46で銅メダルを獲得したホリー・ロビンソン選手などが活躍した。同大会で日本勢が獲得したメダルは、金14個、銀10個、銅17個、合計41個だった。

『SHOGUN/将軍』アンナ・サワイが主演女優賞受賞

ニュージーランド生まれの女優アンナ・サワイが、ドラマ『SHOGUN』での演技により第76回エミー賞主演女優賞(ドラマ部門)を受賞した。サワイは同賞を受賞した初の日本人女優となった。サワイは1992年ニュージーランド生まれ。子供の頃から演技やダンス、歌を学び、2013年からはJポップバンドFakyのメンバーとして活動していたが、俳優業に専念するために脱退。『ワイルド・スピード』シリーズの『F9』 などに出演した。『SHOGUN』はジェームズ・クラベルの1975年のベストセラー小説を映像化した戦国スペクタクルドラマ。外国語作品として初めて受賞した最優秀ドラマ賞を含め、18のエミー賞を獲得した。

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