ニュージーランド、カイワカで米を栽培していた日本人が櫻井美政さん。30年以上にわたって実験ハウスを記録し、分析してきたそうです。稲の多年草栽培を実験し、田植えをしなくて済むように、あまり労力をかけずに持続可能な栽培、つまりサスティナブルに米作りができるよう研究を続けていました。
櫻井美政さんプロフィール
1938年神戸生まれ。建築音響工学博士。
カイワカでエコハウスや自然エネルギーを活用した発電など、自然と共生する持続可能な生活を実践。1990年代からコメ作りを始める。2024年現在、ニュージーランドではコメは商業生産されておらず、売られているコメの100%が輸入品。『ニュージーランドでの稲作の可能性』として、地元メディアのStuffでも紹介された。2024年4月逝去。
大豆に魅せられ、お米も作る
櫻井さんとの出会いは加奈子さんがカイワカに引っ越した6年ほど前。ご近所付き合いの中で、お米づくりを手伝う他にも病院に付き添われたり、一人暮らしの櫻井さんをずっと身近でサポートされてきた加奈子さん。譲り受けた種は、大切に繋いでいるそうです。
『今年は、アースソングの神谷ゆきさんが発芽させた種を田んぼに植えることにしました。種が全滅しないように、色んな人に育てて貰う事が大事です。粘土質の土で固めるなど水を溜めるのが大変な作業なんです。』と加奈子さんは話します。
数年前から大豆を育てて、育てた豆で味噌を作ったりしています。
私の米作りの原動力は、育てた米で麹を醸し、安全安心な環境で育てた大豆と米でお味噌を作ることです!
ニュージーランドで日本の伝統の味を繋いでいきたいです。
林加奈子さん、Yoshiさん夫妻プロフィール
ニュージーランド在住12年。オークランドから北に100キロのカイワカのOtamatea Eco Villageに引っ越して6年目。それ以降、半農半X※の生活を志しています。時々介護士、ガーデナーをしています。(加奈子)
ニュージーランド在住17年。半農半X。大工歴32年。セルフビルドのエコ家を建てたり、木こりになったり、田舎暮らし楽しんでいます。(Yoshi)
※半農半X(はんのうはんエックス) X= 自分の天職
塩見直紀氏が21世紀の生き方、暮らし方として提唱。持続可能な農ある暮らしをベースに、それを大切にしながら、半分は大好きなことや得意なこと(X)で世に貢献するという生き方のこと。
同じ研究者の立場から
ネルソンでお米作りを実践
櫻井さんと同じ研究者として種を受け継いだ福田ゆきさん。ニュージーランド南島のネルソン在住です。日本米「ゆきひかり」という品種の種籾を譲り受け、まずは、植木鉢を使ってお米を育ててみました。そして南島初の快挙と言われるお米の収穫に成功。
また、「ニュージーランドでお米作りを始めましょう」を合言葉にお米作りのノウハウをシェアするワークショップも開催しています。自宅のプランターでも始めることが可能だそうです。
現在の悩みは、脱穀するための機材を日本からネルソンまでどのように輸送すれば良いのか?「収穫後に、お米を食べられる状態に加工するのが大変なんです」と福田さん。来年、Asia New Zealand Foundation※の資金援助を受け日本の有機米農家に短期研修に行く予定なので、脱穀機やもみすり機を日本から買ってきたいと思います。日本からネルソンまでの中型機械の輸送に心当たりがありません。どなたか、輸送に詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡ください。
ご連絡はこちらまで:yuki_fukuda@hotmail.com
※ニュージーランド人がアジアで成功するための知識、スキル、自信を身につけるための経験とリソースを提供しています。
福田ゆきさんプロフィール
東京生まれ。リンカーン大学で生態学の学位を取得。豪州クイーンズランド大学で博士課程修了後、2007年から環境保全の仕事に従事する。国内で最も環境に配慮したエコハウスを建て、1ヘクタールの植林やパーマカルチャーガーデン作りをしつつ、環境コンサルタントとして活動。インクルーシブ・アオテアロアのメディアグループで人種差別撤廃運動に取り組む傍ら、マオリ語を勉強中。