オークランドの選挙区割り見直し
カウンシルは、2025年10月の選挙に向けた公平な代表制を確保するため、1年かけて選挙区の見直しを進めてきた。この見直しの最終決定が地方自治委員会によって承認され、中央部の選挙区割りが変更された。パーネル(Parnell)とニューマーケット(Newmarket)はワイテマタ・ガルフ区(Waitematā and Gulf Ward)に、セントジョンズ(St Johns)はオラケイ区(Ōrākei Ward)に戻る。ロドニー(Rodney)とハウィック(Howick)の区画の変更や議員数の増加、アルバニー区(Albany Ward)とノースショア区(North Shore Ward)の境界の調整も行われた。地域委員会の数の再編も検討されたが、2025年選挙では実施しない。次回の大規模な見直しは2028年選挙に向けて行われる予定である。詳細な地図などの情報は、選挙前にオンラインで公開される予定だ。

オークランド全域で屋外での火気使用が禁止に
消防・緊急局は、3月14日(金)午前8時から、オークランド、ワイテマタ、カウンティーズ・マヌカウ地区での全面的な火気使用を禁止し、すべての火気許可も無効とした。すでにノースランドとワイカトの大部分でも同様の措置が取られている。この禁止令は、高温と乾燥した気象条件のため、地域での山火事を防ぐことを目的として発令された。オークランドの草地は非常に乾燥しており、今夏すでにマンゲレ山(Māngere Mountain)やポート・ワイカト(Port Waikato)など多くの火災が発生している。溶接や研磨、チェーンソーや芝刈り気の仕様、熱を帯びた車を乾燥した草地に駐車するなどの「高温作業」も、火災の原因になり得るので、乾燥した状況下では控えるべきと警告している。火気制限についての詳細は、消防局のウェブサイトで確認を。

オークランド西部に創造性と革新性を刺激する新しいハブ
オークランド西部のヘンダーソン(Henderson)地区に、「Te Puna Creative Hub」がオープンした。かつて「Whoa! Studios」の子ども向け劇場があった建物を改装し、デジタルシアターやブラックボックススタジオなど、多用途に利用できるクリエイティブな施設として生まれ変わった。演劇や撮影、イベント、展示会、ポッドキャスト制作などに対応可能で、地域のクリエイターや企業に最先端の環境を提供する。ヘンダーソンはかつては製造業が盛んだったが、近年は雇用の減少が課題となっていた。しかし、周辺にはオークランド・フィルム・スタジオやCorban Estate Arts Centreなどの文化施設が集まり、クリエイティブ産業の成長に適した環境が整っている。このハブが地域のクリエイティブ産業を活性化し、高付加価値な雇用を創出することが期待されている。

市庁舎改修工事の進捗状況
ウェリントンの市庁舎(Town Hall)改修工事は、当初の計画より8カ月早く、2026年7月に完成する予定だ。余剰金の1,500万~1,750万ドルが市議会に返還される見込み。市庁舎の運営を支えるフロント・オブ・ハウス(front-of-house、受付・ロビーなどの施設)は、コスト削減のため、旧市庁舎(MOB)の跡地の一部に建設されている。また、市は不動産開発を手掛ける大手企業Precinct Propertiesと協議を進め、旧市庁舎とCivic Administration Building(CAB)の跡地に飲食店、商業施設、オフィスを含む大型ビルの建設を計画している。Precinctとの合意内容は6月12日にカウンシルで承認予定だ。今後の開発計画の指針となる「テ・ンガカウ地区開発計画(The Te Ngākau Precinct Development Plan)」は2025年7月に確定予定で、市の資金状況や優先事項に応じて、さらなる開発が進められる。

より安全な街路のための新たな計画
カウンシルは「市の安全と福祉の計画(City Safety and Wellbeing Plan)」を承認し、安全で誰もが安心できる街づくりと地域社会の強化に取り組むことを発表した。進捗は6カ月ごとに報告される。計画の主な取り組みとして、治安対策の拠点「Te Aro Safety Hub」を設立し、Courtenay PlaceやManners Streetなどの繁華街には監視カメラ付きの「安全スポット」を設置する。マオリやパシフィカのパトロールへの資金増額も行う。地域の警察官「Urban Liaison Officers」が地域社会と連携して問題を把握し、違法行為を抑制する役割を担う。ホームレス支援にも重点を置き、福祉団体と連携して24時間体制のサポートを提供する。夜間の安全向上のため、CBDの照明強化や、泥酔者を安全に帰宅させる「CARE Officer」の試験導入、薬物検査サービスの拡充も検討されている。

テ・アウェ図書館、マオリのための新しい分類システムを試験導入
テ・アウェ(Te Awe)図書館では、マオリの知識(mātauranga Māori)に基づいた、書籍の新しい分類システムの試験運用を開始した。多くの図書館では1873年にアメリカで開発されたデューイ十進分類法が採用されているが、これは西洋の学問分野を基準にしているため、非西洋文化の書籍には適しておらず、一部の利用者は目的の本を探しにくい場合があると指摘されている。この問題に対応するため、現在、世界中で特に先住民文化に適した分類システムが開発されている。この図書館の新しい分類システムは、マオリの神(atua)を基に構築した。例えば、海の神Tangaroaのカテゴリには水域や魚、芸術、彫刻に関する本が、平和と農耕の神Rongomatāneのカテゴリには平和や農業、料理に関する本が含まれる。オンラインカタログとも連携しており、マオリ語で検索するとこの棚に誘導される仕組みになっている。

リトルトン港の海面上昇に関する大規模計画承認
カウンシルは、リトルトン港(Lyttelton Harbour)周辺の公共資産を海面上昇の影響に適応させるための100年計画を承認した。この計画は、Rāpaki、Allandale、Teddington、Te Wharau Charteris Bay、Purau、Koukourarata Port Levyの6つの沿岸地域を重点対象とした、道路、桟橋、遊歩道などの資産を海面上昇や浸水、侵食、地下水位上昇から守るための適応策を示しており、地域住民や技術専門家、先住民組織(rūnanga)の意見を反映して策定された。対応策は具体的な期限ではなく、環境変化に応じて決定される。適応策の実施には、現在の価値で約2億1,780万ドルの費用が見込まれている。海面上昇の影響がすでに見られることから、今すぐ対策を講じる必要がある一方で、全ての課題に適応できるわけではなく、一定の影響は受け入れざるを得ないという指摘もある。

クライストチャーチ東部の小学生に自転車を
カウンシルは「Better Off」資金を活用し、「Bikes On Trust」と協力して「Bikes in Schools」プログラムを支援している。プログラムの一環として、クライストチャーチ東部の4つの小学校(Bromley School、Linwood Avenue School、Whītau School、Te Pā o Rākaihautū)で新しい自転車と自転車用コースが導入された。生徒たちは学校の休み時間に自由に設備を使うことができる。生徒の多くが自分の自転車を持っておらず、これまで自転車に乗ったこともなかったという学校もあり、子どもが自転車のライディングスキルや安全利用について学ぶ良い機会となっている。「Bike On Trust」は、子どもたちが自転車に親しむことを目的として2010年に設立された非営利団体で、「Bikes in Schools」プログラムを通じて学校に自転車と専用コースを整備し、子どもが定期的に自転車に乗れる環境を提供している。

ハルズウェル・ジャンクション・ロードの舗装修復工事開始
カウンシルは、ハルズウェル・ジャンクション・ロード(Halswell Junction Road)の舗装修復作業を3月末から開始すると発表した。この作業は、以前の舗装工事で発生した凹凸や沈下を修理し、より平坦で滑らかな路面を提供することを目的としている。作業期間は3月27日から4月9日までで、月曜から土曜に実施される。午前9時までは通常通行できるが、それ以降は北向きの一方通行となるため、南向き車線は迂回が必要となる。現在は舗装の凹凸や沈下により周囲の住宅に振動が発生し、住民に不快な影響を与えているが、今回の補修工事でチップシールではなくアスファルトを使用することで、より滑らかな仕上がりを実現し、道路が振動の原因とならないようにする方針だ。工事の最終段階では、ウィグラム・ロード(Wigram Road)やハミル・ロード(Hamill Road)のラウンドアバウトでも補強工事が行われる。

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council