家が手狭、または広過ぎる、今の住環境に物足りなさを感じている、メンテナンスや庭仕事を億劫に感じている、そんな時は住み替え時期かもしれない。ニュージーランドでは家は一生に一度の買い物という認識は無く、賃貸の場合も自己都合だけでなく、大家の都合で住み替えを余儀なくされることが多々ある。家族や同居人の増減、子どもの学区の為の住み替え等は、よく聞く話。また、母国への帰国や別の移住先を見つけての転居というケースもあるだろう。

例えば、日本への永住帰国を決めた場合、持ち家を賃貸に出すのも一案ではあるが、いずれ売却するつもりの場合、日本で譲渡所得に対して税金を徴収されたくないのであれば、帰国前か日本に居を移して1年未満に売却して引渡しまで済ませるのが吉だ。日本居住者は、原則として日本国内で生じた所得および国外で生じた所得のいずれについても、日本での課税対象となる。そのため日本居住者が海外の不動産を売却して得た譲渡益に対しても日本国内のそれと同様に課税される。居住者とは、日本に住所を有しているか、現在まで引き続いて1年以上、居所を有する人を指す。
所有不動産を賃貸に出す場合は、その家が現在のヘルシーホームスタンダードに適合しているかが非常に重要。このスタンダードをクリアせず賃貸に出すと膨大な罰金が科せられる上に、スタンダードに適合させる為の修理修繕が必須となる。エージェントを通さず個人で貸せば良いと思っていても、大家が連続で21日以上、海外にいる場合には、エージェントを使う事が法律として定められている。ぜひ、このことにもご留意いただきたい。
完全帰国の決断がつかず、自宅を保持しておきたい場合は、外回りのメンテナンス不要で、セキュリティー面も比較的安心なアパートメント等に住み替えてから2拠点生活を楽しむというのも、一案かもしれない。

当面、住み替えの予定がなくても、溜め込んだ不要物の処分を小まめにしておくと、いざという時に動きやすい。これは私自身への戒めの為にも記しておこうと思う。

Hiroko Jenny
イェニー浩子1994年よりオークランド在住。ツアーガイド、クレジットカード会社、ブランド店勤務を経て不動産業界12年目。YouTubeでは不動産だけではないNZ情報発信中。