政府は12月9日、タバコを購入や喫煙ができる年齢の繰り上げや、販売制限の強化などを骨子とする法律を来年中に制定すると発表した。「禁煙国家」の実現に向けた取り組みが本格化する。
ニュージーランドは、2025年までに全面禁煙を目指す「スモークフリー2025」を10年前に採択しており、今回の決定はその行動計画に位置付けられる。2024年からタバコ販売所を大幅削減し、2025年にはニコチン含有量がごく微量のタバコしか販売できなくなる。政府はこの行動計画によって、現在は13%の喫煙率を、4年後には同5%以下に抑制すると説明した。
国民全体の喫煙率は、2004年の屋内禁煙法やタバコの高価格政策などのキャンペーンによって、この20年で半減した。特に若年者では28%から5%へと激減している(喫煙の許可年齢は18歳だが、習慣的喫煙者の過半数が16歳以前から喫煙を始めている)。
また、白人の喫煙率が10%に対してマオリの喫煙率は28%で、差異がある。保健省のデータによれば、肺がんによるマオリ女性の死亡率はそれ以外の女性の4倍となっており、主要な死因の一つである。
本法案については、与党の労働党とグリーン党に加えて野党の国民党も賛成の意向だと見られる。一方、ACT党のシーモア代表は、「過保護な国家介入だ」と批判した。
<参照>(英語原文)
MInistry of Health
https://www.health.govt.nz/our-work/preventative-health-wellness/tobacco-control/smokefree-aotearoa-2025-action-plan/history-smokefree-aotearoa-2025