信号システムが施行され、徐々に規制緩和に向かうニュージーランド。前回に引き続き、NZ~日本間を2020年8月・2021年8月・2021年10月~12月に3往復された旅行会社勤務・オークランド在住の純子さんに、日本からニュージーランドへの入国状況についてお話を伺いました。
※内容・情報は、2021年8月下旬の体験を中心としたものです。
日本出発準備から出国まで
帰国日までに準備したものを教えてください。
航空券、MIQバウチャー、コロナ陰性証明書、NZの隔離ホテル滞在中に食べるカップ麺やスープ類です。陰性証明書は各都道府県に英文証明書の発行可能な病院があるので、そちらで取りました。料金はPCR検査込みで3万円でした。
隔離ホテルではプラスチック製のカトラリーを使うので、食事の気分をアップしたいならマイ箸や金属製のフォーク&ナイフがあると便利だと思います。フルーツがまるごと出てくるので、果物ナイフもあると重宝しますよ。
成田空港の状況、出国手続き、搭乗・機内での様子はいかがでしたか?
ターミナル内のショップ、レストランはほとんど休業。出国手続き・搭乗ともに乗客が少ないためスムーズでした。成田でもニュージーランド航空のキオスクは使えず、有人カウンターでチェックイン。この際、MIQバウチャーの提示が求められます。
同じフライトの乗客は往路と同じく30名ほど。やはりエコノミークラスでしたが、3席倒して横になれました。
NZ到着から隔離ホテル滞在まで
NZ到着後、入国までにどれくらいの時間がかかりましたか?
入国までは1時間程度。税関で並ぶ入国者の数が圧倒的に少ないので、コロナ禍前より待つ時間は短かったように思います。
ただし、隔離ホテルに着いてからチェックインまで1列に並んで待つので、結構時間がかかります。1回目のMIQチェックインの際は真冬でしたし、夜中に到着するフライトだったので、外で並んで待つのは寒くて大変でした。
ホテルに到着するとMIQマニュアルという冊子を渡されます。それに滞在中の注意事項などが書かれています。
隔離ホテル滞在中の過ごし方について教えてください。
できるだけ毎日、可能な限り運動場に出るようにし、普段はやっていないラジオ体操も日課としました。空港近辺のホテルは駐車場が広く、そこを運動スペースとして利用できました。シティのホテルでは予約制でバスに乗り、少し離れた運動場に行くこともあるようです。
ホテルの廊下で感染するリスクもあると思い、運動場から戻ると必ず着用したマスクを捨てるようにしていました。追加のマスクはルームサービスでもらえます。ホテルの部屋にスタッフは入ってこられないので、シーツ交換もトイレ掃除も自分で行います。客室内に替えのシーツやタオルが複数あり、清掃グッズも用意されていました。
食事はすべて支給されますが、日本人のお腹には朝からヘビーな内容なので、毎食申し訳なく感じながらも、完食はできませんでした。非常に辛いカレーが出たときは、日本から持参したカップ麺が活躍しました。
日用品などで欲しいものがあれば、スーパーマーケットのオンラインショッピングでデリバリーしてもらえます。アルコール類は1日の上限量が決まっていて、たくさん買っても一度に全部は配達してもらえず、残りはホテルのストーリッジで保管されます。また、ウーバーイーツも利用可能で、ピザなどをデリバリーしてもらった人もいたようです。
コロナ禍中の一時帰国で、特に大変だったことは何ですか?
1回目はMIQ手配の必要がなかったものの、隔離ホテルでどう過ごせばよいのかわからず、到着3日目に軽くパニックになりました。運動場をゆっくり歩いて脱出可能なフェンスを探したりもしました。実際に出られないことはわかっていても、どうしても必要ならここから出て行けばいいと思うと気持ちが楽になりましたね。
2回目はMIQ手配のため、三日三晩スマホを凝視してリフレッシュボタンを押し続け、ようやく確保。これが一番大変でした。3回目はMIQ予約がバーチャルロビーシステムに変更となり、日本到着後に手配しました。トライ1回目はロビー開始の5分後に入室し、その時点で8000人待ち。2時間待ちましたが、あえなく撃沈。トライ2回目は開始の15分前からスタンバイして3800待ち。1時間半待って自分の番となり、確保できました。
一時帰国する人へのアドバイスをお願いします。
やむを得ない事情で急遽帰国しなければならない時、ニュージーランド航空は週1便しかありませんが、シンガポール航空であれば毎日運航されているので、使い勝手がよいと思います。 ただし、フライトが取れてもコロナ陰性証明書の取得に時間がかかり、希望のフライトに乗れるとは限りません。3回目の帰国時は最短6時間で陰性証明書が取れるクリニックを使いましたが、それでも空港チェックインぎりぎりでの発行でした。フライト手配は陰性証明書がいつ取得できるかを考えてから動いた方がよいでしょう。
文 Miko Grooby