実際にさまざまなことを体験しながら物事を学ぶニュージーランドの児童教育。近年、日本からも親子留学が増えています。
今回はニュージーランドの児童教育、Year1(5歳)からYear8(中1相当)の小・中学校についてのお話です。一般的に、Year6までが小学校、Year7と8はIntermediateと呼ばれる中学校に通います。4月に一斉に入学し同じカリキュラムを開始する日本とは異なり、こちらの小学校は5歳の誕生日から入学が可能なため、頻繁に入ってくる新入生には面倒を見てくれるバディと呼ばれる同級生をつけてくれます。このシステムはほとんどの学校(小学校~高校)で利用されていますので、日本からの留学生にも非常に力強い味方になっています。
個性を伸ばし自主性を育てる
日本から来た子どもが現地小学校に入学し最初に驚くのは、その教育方針の違いでしょう。一見自由でお遊び的なクラスに見えるのですが、NZの教育は個性を伸ばし、自主性や意欲をもたせるための参加者中心型『アクティブラーニング方法』が実施されています。
子どもにはまず体験をさせ、自分で考える楽しさを教えるNZの教育方針は世界でも高い水準にあり、現在日本でも注目されるIBコース(インターナショナルバカロレア)の基礎になる教育方法です。例えば、「氷を溶かさずに出来るだけ長く保つにはどうする?」との問いに対し、まずグループ単位で考えさせ、各自のアイデアを議論させます。その後、生徒は自分の意見の通りに材料を集めたり、具体的に試してみて結果を比べたりしながら、生徒達だけで結論を導き出せるよう、教師は見守りながら指導をします。子ども達は理科的思考、数学的思考、プランニング、ディベート、レポート能力などの能力を発揮しながら成長することができます。
注目される親子留学
親子留学の期間はさまざまですが、子どもの適応力は非常に高いので、このNZ風のクラスにもあっという間に慣れるでしょう。また子どもだけではなく、保護者も海外滞在を通して新しい体験をする良いチャンスです。親子留学を通して異なった文化や価値観を肌で感じる事が真のアクティブラーニングに繋がるのではないでしょうか。
Ben Tokunaga
徳永 勉ニュージーランド留学情報センター代表取締役社長。
短期留学から中学・高校、親子留学や専門学校まで、日本から訪れる留学生のサポートを幅広く行っている。
ニュージーランド留学情報センター
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2018年6月号掲載