安全・エコ志向の国のEV車
ニュージーランドは、車に対する安全性とエコ対策に重きを置いています。日本から輸入される中古車においては、輸入時にさびはないか、事故歴はないか、規定の部品が装着されているか、排気ガス規制に適合しているかどうか、そして今年に入り新たな規制の対象となる横滑り防止機能の搭載(例外車両あり)について事細かく検査されます。
そんなニュージーランドでは、ハイブリッド車やEV車も積極的に取り入れて行こうという動きがあります。ちなみにPHVやPHEV車を〝Plug in Hybrid Electric Vehicle〟、EV車を〝PureまたはFully Electric Vehicle〟と呼び分けていますが、まとめてEV車として記載されることが多いので、この記事でもEV車と総称させていただきます。最近ではスーパーや公共の駐車場内にも、EV車を充電できるスペースが新たに設けられているのをよく見かけるようになりました。
EV車はキーウィに人気⁉
では実際、この国でEV車は人気があるのでしょうか。数字で見てみると、2018年の前半にはまだ1万台にも満たなかった登録車数は、2020年に入り2万台を突破しています。一時は日産リーフを日本から買いあさる中古車業者も見受けられました。現在は少し落ち着いたとはいえ、ヤード内にEV車専用の展示場を構えるディーラーも健在しています。こうしたことを踏まえると、ニーズも人気も一部のユーザーにはあることがうかがえます。
しかしながらEV車はガソリン車に比べ航続距離が短く、充電時間が数時間と長いことを考えると、普段から長距離を走る、オープンロードを走行する機会が多い、休暇中にはボートを引いて釣りに行く、旅に出る、そんなライフスタイルを持つユーザーにとっては、EV車は理想的ではないかもしれません。現に2019年の国内ベストセラーはトップ10の内、UTE(小型ピックアップ)が5種、SUVが3種、長年ベストセラーになっているモデルのコンパクトカー(ガソリン)が2種です。そしてこのランキングは過去3年不動なのです。まだまだこの国ではパワフルなモデルが好まれるようです。
Miyako Murahigashi
村東 みやこ2006年より中古 ・クラシックカー・中古パーツなどの輸出入を行っている。
クライストチャーチより日本全国・ニュージーランド全国に対応。
ニュージーランドクラシック
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2020年9月号掲載