ニュージーランド発信の日本酒 全黒で乾杯!

ニュージーランド発信の日本酒 全黒 GOURMET

ニュージーランド初の酒蔵として注目の全黒 
日本酒アワードの受賞も果たした同社の魅力にピックアップ

昨今の日本酒ブームをきっかけに、海外醸造のブランドなど、世界中で親しまれるようになった日本酒。ニュージーランドにおいても、様々なジャンルのレストランで日本酒を見かける機会も増えてきました。
「料理との合わせやすさが魅力。」こう語るのはクイーンズタウンから、日本料理はもちろんのこと、各国の料理に合うお酒造りを探求する酒蔵『全黒』の杜氏を務めるデイビッド・ジョール氏。今回はニュージーランドから発信する日本酒について、その醸造の工夫についてお伺いしました。

『全黒』の醸造開始は2015年。ニュージーランドの気候風土を活かしたお酒を提供しており、様々なシーンで選ばれ、今年、ロンドンで行われた日本酒品評会『ロンドン酒チャレンジ』では、梅酒部門にて同社のプラム酒が金賞、純米部門でも銀賞に輝いています。ただ、日本とは異なる環境で醸造するため、創意工夫も繰り返したといいます。

どんな料理にもぴったりな食中酒を

交換留学をきっかけに、デイビット氏は、たくさんの日本文化やその風土と結びつきのつよい日本酒、特に食中酒として美味しい日本酒に惹かれて、ニュージーランドでの酒造りを決意。
デイビッド氏の目指したのは、日本、ニュージーランドのほか、ジャンルを問わず様々な料理との相性の良い日本酒を造ること。酒蔵があるクイーンズタウンには、お酒造りには欠かせない原料でもある、南アルプスの氷河と雪解け水が豊富にあります。

一方、「思い描くような酒米や酵母、麹の入手には、試行錯誤しながら細心の注意を払いました」とデイビット氏も語るように、醸造のための器具や材料を取りそろえるまでは、ビール酵母やワイン酵母など、ニュージーランド国内にあるもので代用したそうです。

現在は、協会規定の酵母を日本から手配し、米の旨味や日本酒の風味も引き出され、イメージする味を造ることができるようになったそうです。もちろん、酒造りの経験も豊富で、今でも日本各地の酒蔵との交流の中で、日本酒の勉強を重ねて、理想の味の探求に余念はありません。酒造りにニュージーランドらしさを取り入れるため、殺菌効果もあるマヌカの木を、もろみを混ぜる棒に使用したり、雫搾りを吊るす棒にも使ったり、全黒の個性を引き出す工夫もこらしています。

個性が決め手!全黒のこだわり日本酒

味わいにこだわる全黒のお酒は全部で5種類。『全黒オリジナル純米酒』は、日本酒に馴染みのない方におすすめ。アルコール度数も低めで、軽やかな口当たりを楽しめる一本。奥深い風味がお好みの方には、『ワカティプスリーピングジャイアント』がおすすめ。ワカティプ湖に眠るマタウという巨人のように、力強い旨味が凝縮され、日本料理やニュージーランド料理など、幅広い料理にぴったり。『雫搾り純米酒』は、もろみ袋をタンクにつるし、自重で落ちてきた雫だけで作られた純米吟醸酒。料理の味を引き立てる繊細な旨みに仕上がっています。もろみのほのかな刺激と後味が特徴の『純米にごり酒』は、スパイシーな料理との相性も抜群で、まろやかな口当たりを楽しめる人気の一本。
『全黒プラム酒』は、純米酒にセントラルオタゴ地方で育ったプラムやクイーンズタウン産のマヌカハニーを丁寧にブレンドした、まさに地産地消に着目したシーズン限定の一本。

全黒の日本酒は、クイーンズタウンをはじめ、町のレストランやワインショップ、全黒のウェブサイトでお買い求めできます。これからのクリスマスや新年のお祝いシーズンに、クイーンズタウンの地酒で乾杯してみるのもいかがでしょうか。

David Joll

全黒ディレクター兼杜氏。交換留学をきっかけに、日本文化の魅力を感じ、オークランド大学で日本語を専攻。再度、留学した 、一橋大学大学院で日本語学を修める。日本やカナダの酒蔵での修行など、日本酒の幅広い知識や技術を学び、2015年、NZ初の日本酒蔵 New Zealand Sake Brewers Ltd を設立。

ZENKURO
(New Zealand Sake Brewers Ltd)

【所】19 Repco Boulevard, Queenstown
【Ph】027-467-7034【 E-mail】info@zenkuro.co.nz
【Web】http://zenkuro.co.nz



取材・文 GekkanNZ営業部
2019年12月号掲載

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