食べ物から栄養を摂る第一歩の離乳食。食材は違っても、与え方や必要な栄養素は共通のようです。
最初は単品をごく薄味で
母乳やミルクだけで栄養を摂っていた赤ちゃんも、生後6か月ころになると、離乳食で食べ物に少しずつ慣らしていくステップが始まります。初期段階では、身近な食材を単品で一さじずつ与えます。味付けは無塩もしくはごく低塩。これはどの食文化においても一緒です。
身近な食材といっても、多民族国家のニュージーランドでは文化圏によってさまざま。米が主食の家庭では、日本のようにお粥から始めることが多いようですが、米はサラダという感覚の家庭では、ジャガイモやサツマイモ、ニンジン、パースニップなどの根菜類や、カボチャなどの野菜つぶしてなめらかにしたものを離乳食にしています。野菜も細かく刻んで食べやすく。レンズ豆、ひよこ豆などの豆類や、グリーンピースやトウモロコシのピューレも離乳食初期から登場します。そして徐々に複数の食材を組み合わせてうま味を感じられる離乳食へと移行。シナモンやクミンなど辛くないスパイスも段階を追って与えていきます。
日本では、おも湯やお粥、お味噌汁の上澄みを薄めたものや、野菜の裏ごし、すりおろしなどから始まる場合が多いでしょう。赤ちゃんが一つの食品を受け入れるのに、5~6回振られることを覚悟して、ゆったりと構えて離乳食をあげて下さいね。
様子を見ながら食材を増やして
新生児の胃袋の大きさは1カップ位しかないため、いつまでもスープ状の食事は効率的とは言えません。WHO(世界保健機構)によると、離乳食を始めるころの赤ちゃんは、エネルギーをはじめ、たんぱく質や鉄、亜鉛、カルシウム、ビタミンAなどが不足しがちになるそう。アレルギーなどに注意を払い、様子を見つつ卵や魚、赤肉なども取り入れましょう。不足しがちな栄養素を補うには、いろどりよく食材を選んでみて。はちみつは1歳のお誕生日までは与えないようにしましょう。
お粥のアレンジレシピ
チャイルドケアセンターで赤ちゃんに人気のモーニングティーです。
- ご飯に水とデーツやレーズンを加え、ご飯が指で簡単につぶれるまで煮る。
- ブレンダーにかけてピューレ状にする。
- 赤ちゃんの成長と好みに合わせてピューレの濃度を調節。ミルクやココナッツミルクなどを加え、塩をほんの少し加えてできあがり。
シナモンなどのスパイスを加えてもよいでしょう。
Kuniko Maruyama
丸山 国子チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。
【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ
2020年8月号掲載