4月15日土曜日、AucklandのKeith Hay Parkにて、National LeagueのRegional Phaseにおける、Auckland United FCとAuckland City FCの対決が行われた。ニュージーランドだけでなくオセアニアの王者とも言えるAuckland Cityに対し、Auckland Unitedはホームでの試合とはいえランキング的にも挑むような状況で迎えることとなった。
前半序盤はAuckland United(以下ユナイテッド)がAuckland City(以下シティ) のゴール前に迫る場面が多くみられたが、その後はシティが攻め込む場面が増え、カウンターからヒヤッとする状況が多く見られた。両チームとも右サイドからの攻撃が多く、ユナイテッドでは17番ザビア選手がチャンスを作ろうと試みる。しかしながらシティの猛攻の末、再三チャンスを作っていたシティの19番ギリオン選手によって前半終了間際にシティの先制点が決まる。ハーフタイムを挟み、後半が始まってすぐに同じサイドからギリオン選手がもう一度、さらなるシティの追加点を決めた。ユナイテッドにとってはまだ時間はあるが精神的には厳しいタイミングと言える。ユナイテッドの22番イグナシオ選手がチャンスを狙い、シティでは11番ライアン選手がゴール前でヒールキックからのシュートを狙うなど激しくも見どころある試合展開となった。シティの攻勢は続き、危うい場面もあったがユナイテッドのディフェンス陣も追加点を許さず、試合は終了。0ー2でシティの勝利となり、ユナイテッドは力量差を見せつけられた形となった。とはいえ、得点のチャンスもあり、課題を乗り越えていくことで勝利も見込めるのではないかと感じさせられた内容ともいえるのではないか。
試合後、中盤でボールをさばきシティの猛攻を抑えつつも味方にボール供給をしていたユナイテッドのMFである高橋秀人選手に伺うと、「相手のプロ意識の高さを感じる内容であり、今後はユナイテッドも日常的なことから見直していくことで強くなっていく必要があると思う」と厳しさを表情ににじませつつ、試合結果を冷静に受け止めていた。
また、シティのDFで今回の試合を観戦していた岩田卓也選手からは「両チームともに自分たちの体制を崩される恐れのある改善点があり、実はそこを狙っていくことでユナイテッドも勝算は十分にあると言えます。まだまだニュージーランドのサッカーは未熟な部分=良くなれる部分があると思いますね」とのことだ。シティのプレースタイルについては、「長く在籍しているメンバーも多く、スペインの監督が続いており、スタイルの根本は形ができている状況です。こういったクラブに入って機能するには、技術やトレーニングも必要ですしサッカーIQというか、経験を積んだりサッカーを良く勉強し知識を蓄え、予測する力が高い選手でいる必要があります」とのことで、選手個人の力も高め、さらにチームの動きに臨機応変に対応していくことがニュージーランドでは求められるようだ。
観客を沸かせる華やかなプレーも見られ、老舗チームであるシティのサポーターがかけつけ、歌を歌ったりと大盛り上がりの試合となった。National LeagueのRegional Phaseはどうなるかまだまだ分からない!ニュージーランドサッカーの行方を追いながらローカルチームの試合を楽しもう!
Photo & Text: GekkanNZ, Emi Sakai