谷山アツシさんバーバラさん夫妻がパーマストンノースで営む『IZAKAYA 屋台』は、創業20年を超える老舗の人気日本食レストラン。しかしお二人は地元に愛され続けるこのビジネスを売ることを決意し、引き継いでくれる日本人オーナーを募集することに。お二人にお話を伺った。
ローカルにとっては
もはや「ふるさとの味」
日本の横須賀で出会ったお二人だったが、こどもたちとともにバーバラさんの故郷であるニュージーランドへ。以前は横須賀のネイビーでダイバーとして働いていたアツシさんだったが、日本食ビジネスを始めることを決意。「最初はキャラバンで日本の欧風カレーを主に売っていました。欧風カレーだったら日本人でなくても食べやすいかなと思ったんです」と語るアツシさん。お二人の出会った横須賀ならではのアイデアだ。当初は1人でオペレーションしており様々なメニューも試したが、欲張らずに愛されるものを提供していく経営センスを培い、店舗を持ちビジネスを大きくしていった。今では刺身などの本格日本食を中心に提供しているが、ビジネススタート時から『屋台』のカレーを食べてきたローカルのこどもたちが大人になり、旅先などで日本食レストランのカレーを食べると「『屋台』の味と違う」と感じ、『屋台』へ戻ってくるそう。もはや『屋台』の料理は古くからのリピーターにとってはふるさとの味と言えそうだ。
受賞歴、大口顧客、リピーター
無理なく続けている経営
地元マナワツでは『エスニックシェフ・オブ・ザ・イヤー』を受賞したこともあるアツシさん。「自分としてはシェフのバックグラウンドが足りていないと思っていたので受賞して良いのか戸惑い、賞の運営側にも気持ちを伝えましたが、ぜひ受賞してほしいと言ってくれました」とのこと。有名店となった『屋台』はスクールランチも長年受注している。「スタッフにも無理なく働いてほしいので今は１校ですが一時期は３〜４校やっていたこともあり、やる気があれば広げることもできます。スクールランチに選ばれるというのは品質も認めてもらえたということなので嬉しいですね」とアツシさん。こういった安定した受注に加え、マナワツ地域でのイベント等にも声がかかって参加することもあり、プレオーダーで700〜800食の受注もあるという。
「基本の営業時間は火〜土曜の週5日、昼はテイクアウェイだけ、夜はディナーをやっています。日本からニュージーランドに来る人の中にはゆったりとした生活を求めている人もいると思うのですが、この営業時間での経営はそんなに長時間ではないと思いますし問題なくビジネスをやってこれました」
コロナの時期はむしろローカルの客足がやや増え、経営的な痛手はなかったそう。また、店にはキャリア30年の熟練シェフや、勤続8年キッチンをしているスタッフもいて、かなり安定したビジネスのようだ。
しかしここ2〜3年でニュージーランドのテニスのレベルが上がり、今は少し変わってきているかもしれません。勉選手は、日本の国籍に変えた事が大きなレベルアップになったと思います。
店を受け渡した後も地元に
谷山さん夫妻には娘たちがいてニュージーランドの他にオーストラリアやアメリカでそれぞれの家族と暮らしているそう。「リタイアし、これからの人生を家族と過ごすかけがえのない時間にしていきたい」とバーバラさんは話す。「健康でいられるうちに家族に会いに旅行したり違った人生の楽しみ方をしたい」とアツシさんも語るが「うちは日本帰国ではなく拠点はパーマストンノースのままなので、ビジネスを引き継いでもらった後に話を聞くこともできます」という。「レストランの上階は住居になっているので建物ごとビジネスを買うのが難しいならリースすることもできますし、住居が必要なら貸したりもできます。柔軟に対応したいのでご相談いただければと思っています」とのことだ。このあたりで日本人経営の本格日本食レストランは『屋台』のみで、オーセンティックな日本食を求めてローカルが集う。のんびりとしたパーマストンノースでネームバリューのあるビジネスに興味があればぜひ連絡を！
谷山アツシさん、バーバラさん夫妻
日本で出会い、結婚後バーバラさんの故郷ニュージーランドへ移住。キャラバンで日本食ビジネスをスタートし、店舗も持つ。今では地元有名店としてローカルに愛され、マナワツ地域の『エスニックシェフ・オブ・ザ・イヤー』も受賞。家族との時間を持つためにリタイアを決意し、日本食レストランビジネスを売るために日本人購入者を募集中。
2023年7月までにビジネスを購入できる方、ぜひご連絡ください！
お問い合わせ▶ info@yatai.co.nz
【Ph】+64 27 2768611 （アツシさん直通）
【Web】www.yatai.co.nz
取材・文 GekkanNZ