日本の教育関連のメディアで目にする〝グローバル〞という単語。グローバル人材とはどのような人物を指すのでしょうか。
英語がしゃべれたら国際人?
英語がしゃべれたら国際人?〝英語の習得=グローバル〞と考えている方が(特に日本には!)多くいらっしゃるように思います。「英検で2級を取ったから、これで自分も今日からグローバル!」って、本当にそうでしょうか?
語学の習得は大切です。英語はうまくないよりはうまい方が良いですし、三単現の〝s〞も忘れるよりは忘れない方が良いでしょう。でも、その程度だと私は考えます。語学はコミュニケーションの道具ですから、英語を完璧に操ることにこだわるよりも、英語力というツールを適切に使っていくことの方が重要です。では、どうすればよいのでしょうか。
異なる価値観に触れ違いを知る
答えは簡単。日本人である自分とは価値観や育った環境、考え方などが異なる人と接することです。相手の言っていることを本当に理解するためには、その相手のことを知ることが大事ですよね。そうしないと、逆に自分の言いたいことを相手に伝えることもできないと思います。より深いコミュニケーションを取るために、まずは共通の言語である英語が必要ですが、さらに前に進むためには、幅広く深い知識と、高いスキルが必要になります。それらを持った人物こそ真のグローバル人材と言えるのではないでしょうか。
ニュージーランドに留学することは大賛成ですし、英語もある程度は上達するでしょう。でも、最終的なゴールはもっと先にあると思います。幸運にもニュージーランドは多国籍国家であり、さまざまな異なるバックグラウンドを持った人と接することができます。これこそが大きなチャンスです。数年前に、世界全体を見渡し、多角的な視野をもって外交を展開するといった意味の〝地球儀外交〞という言葉が使われましたが、そのような高い意識を持って自分を磨いていくことが、グローバル人材となる道ではないかと考えています。残念ながら私の年では手遅れかな…(笑)しかし、日本の若者からこのようなグローバル人材が育って欲しいと願っていますし、ニュージーランドはそのための教育の場所としてとても良い環境であると思います。
Keishi Nakamura
中村 敬志オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)取締役。
AICはニュージーランド教育省認可の私立高校で、全生徒が世界のトップ大学への合格を目指す。
オークランド・インターナショナル・カレッジ(AIC)
【所】37 Heaphy St., Blockhouse Bay, Auckland
【Ph】09-921-4502(日本語直通)
【営】8:00~17:00【休】土・日曜
【Web】 www.aic.ac.nz
2019年3月号掲載