なぜ、ニュージーランドの教育が良いのか

EDUCATION
教育ナビ!in New Zealand 教育のプロに聞くニュージーランドの今日事情をご紹介

2022年2月号掲載

何を学ぶべきか、人生の目標をはっきりさせることができるのが、ニュージーランドの教育です。


ニュージーランドのイメージといえば羊の国?それとも女性首相が迅速なロックダウンでコロナの抑え込みに成功した国でしょうか。物価は高いがお金がなくても幸せになれる国、1年中同じ服装でもクールな国とお思いの方もいるかもしれません。

では教育についてはどうでしょう。

個別の能力に応じた選択肢

小学校では入学の時期*¹を選べ、考える力を伸ばす教育が主流です。日本のような知識習得の時間はあまりありません。中学、高校では自分の得意分野を詳しく学ぶ機会が与えられます。義務教育終了の16才になると、高校卒業を待たずに専門学校へ進学する生徒、就職する生徒もいます。

この国は日本のような学歴偏重社会ではないので、学歴や職業に対する差別は少ないように感じます。

高校生は、学年と教科レベルはほかの人と同じでなくて構いません。
例えば、数学が苦手なイヤー12(日本の高校2年)の生徒が、数学だけはイヤー11のレベルのクラスを履修するという選択が可能です。逆に、下の学年の生徒が上の学年のクラスを履修することもできます。留学生の場合、学年を一つ落として入学する生徒も少なくありません。

公立校のレベルが高い

ニュージーランドでは私立校の数が少なく、全体の約90%が公立校となります。公立校でもまるで私立校のように充実した設備やカリキュラムを誇る学校が多数あります。ローカルの生徒は居住地の学区*²によって学校が決まりますが、留学生は、進学に強い学校やスポーツに強い学校など自分の希望する学校を選択することができます。

大学入試がない

全国統一の高校教育認定資格である『National Certificates of Educational Achievement (NCEA)』はイヤー11(日本の高校1年)からスタートし、生徒たちは進学に必要な科目を選択して学びます。年度末に試験を受け獲得したこの資格が、国内あるいは他国で進学する際の入学要件の一部として認められるのです。

何を学ぶべきか、若い時から人生の目標をはっきりさせることができる教育は、日本の大学進学がゴールになってしまっている環境とは大きく異なる点だと思います。

 *¹ 5才の誕生日から個別に入学する。 *² 学区外入学を希望する際は抽選となる。

Junko Kobayashi
Junko Kobayashi
小林 純子

近鉄インターナショナルエクスプレスの留学担当マネージャー。ニュージーランドの現地情報を日本へ発信している。
オセアニア在住歴約25年。
【問い合わせ先】kieakl@kintetsu.com.au

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