全国統一の高校教育認定資格NCEAとは

2022年6月号掲載

NCEA(National Certificate of Educational Achievement)の評価や選択科目は、大学進学や就職に大きく影響します。

NCEAは高校３年間の指針

NCEAは学生の達成度を評価する制度で、ニュージーランド国内、その他の英語圏の大学に進学する際の入学要件の一部として通用します。3段階のレベルに分かれ、イヤー11でレベル１、イヤー12でレベル２、イヤー13でレベル３を履修します。ただし、生徒の能力や興味のある科目に応じて、イヤー12の生徒がレベル３の科目を、逆にイヤー13の生徒がレベル２の科目を履修することもできます。それぞれのレベルの必要単位(クレジット)は80単位。言語と数学は必須科目です。NCEAで高得点を取った成績優秀者は表彰され、大学進学や就職に有利となります。

40以上の多彩な科目から選択できますが、イヤー11では通常、英語・数学・科学を中心にさらに２、３科目を選択し、イヤー12とイヤー13では進学や就職の際にどんな分野の勉強が必要になるかを調べて科目を選択します。留学生であれば、日本語を選択して高得点を取ることも可能です。NCEAは、毎年11月上旬から12月上旬にかけて試験があり、自分の選択科目の試験が終了すれば各自長い夏休みに入ります。

高校卒業資格と大学進学資格

ニュージーランドの高校卒業資格(Graduation Certificate)は、NCEAの単位数だけで決まるわけではなく、学校の出席率や授業中の態度など内申書と合わせて総合的に判断されます。出席率があまりに低いと卒業させてもらえない場合もあります。

大学進学にはUE(University Entrance)資格が必要ですが、前提として、NCEAのレベル３を達成していること、そして各科目での必要単位取得など細かいルールがあります。大学で何を学びたいのかによって求められる単位が学部ごとに異なるので、希望の大学には何が必要なのかをしっかり調べておくことが重要です。ニュージーランドの大学は全国に８つですべて国立です。総合大学として一番規模の大きいオークランド大学は２０２１年の世界大学ランキングで81位。医学で有名なオタゴ大学、農業学が有名なマッセイ大学、唯一の南極研究機関があるカンタベリー大学など、大学ごとに特徴ある学部が設置されています。なお、日本の大学で帰国生入試(帰国子女枠入試)を受ける場合に必要な海外での修学期間は２年以上です。