小学生の子どもは、新しい生活習慣もついてきて、好みもはっきりしてきます。気を配っておきたいこととは。
栄養あるおかずを食べやすく
小学生になると、お弁当の時間まで友達と遊ぶ子どもも少なくありません。私が子育てをしていた時も、息子から〝食べやすく、かつ友達と差をつけるお弁当〟とリクエストがあり、素早く食べられて栄養も摂れるお弁当を工夫しました。お弁当に詰めるような主食と副菜をサンドイッチのようにごはんに挟み、のりでくるんだ〝おにぎらず〟に始まり、のりの代わりにトルティーヤで巻いたブリトーにしたり、丼やさまざまな具を混ぜ込んだお好み焼きのようなパンケーキも作りました。
この時期に気を付けたいのは糖分の摂りすぎです。ニュージーランドでは、サンドイッチにジュース、クッキー、さらにはエナジーバーなどが一般的なランチとして準備されます。たまのご褒美であればいいのでしょうが、毎日となると、糖分の摂りすぎが問題になります。
ニュージーランドでは子どもの肥満が深刻です。保健省による2017年の報告では、2歳から12歳の子どものうち、標準体重を超える子どもは約20%、肥満は約10%となっており、年齢が上がるほど割合は上がります。また、糖分を摂りすぎるのが当たり前の状態が続くと、成人の肥満や生活習慣病、そしてメンタルへの影響も出てきやすくなります。
ジュースは特別なご褒美に
果汁100パーセントジュースは健康的なイメージがありますが、飲み過ぎると糖分の摂りすぎになります。果物丸ごとなら、甘みの元になる果糖のほかに、ビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれていて、適量を摂ることで健康に良い影響があります。しかし、果汁の中にはビタミンがありますが、食物繊維が取り除かれたほぼ果糖だけの状態では身体への吸収はとても早くなり、負担も大きくなります。のどを潤わせるには水が一番。ジュースは特別な時に楽しむよう習慣づけましょう。
年齢が上がるほど、習慣を変えるのは難しくなります。子どもにストイックな食生活を強制する必要を私は感じていません。さあ!まずは大人も子どもと共に、旬の食材や食べ物のさまざまな味やうま味に親しみ、毎日の食事をもっと楽しいものにしていきませんか?
Kuniko Maruyama
丸山 国子チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。
【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ
2020年12月号掲載