Vol.010 にぎやか風呂吹き大根

ニュージーランドの食材で作れる!アオテアロアの恵みレシピ! GOURMET


ダイコン Daikon radish

身体の調子を整える身近な食材

ニュージーランドでも一般的に入手可能となった大根、寒い季節は鍋物にも人気の食材ですね。購入するときは、ずっしりと重く、皮が白くきめ細やかでハリのあるものを選びましょう。新聞紙に包んで涼しいところに立てて保存するとひと月くらい持ちます。切ったものの残りはラップに包んで立てて冷蔵庫保存すれば1週間は保ちます。

大根には各種ビタミンやミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれています。胃腸の働きを助ける消化酵素も豊富で、食べ物の消化を促進し胸やけや胃もたれを防ぎます。大根おろしなど生食することで消化酵素の高い効果が得られます。また、イソチオシアネートという辛味成分があり、大根を切ったりおろしたりする際に細胞が破壊されることで発生します。イソチオシアネートには優れた抗菌作用があり、血栓の予防効果やがんの抑制効果も期待できるといわれています。上部(葉に近い部分)、中央部、下部(根の先の部分)ではイソチオシアネートの量が異なるために、辛味の違いがあります。上部の辛みが少ない部分はサラダなど生食向きです。煮物など大根の味をたっぷり楽しむなら、やわらかい中央部分を使うと良いでしょう。

デコレーションで華やかな一品にも

冬の食卓の風物詩とも言われる風呂吹き大根、コトコトやわらかくなるまで煮て味噌だれをかける料理ですが、ここにお好きな食材をデコレーションしたら、目先の変わった一品になります。大根を煮込んでいる鍋の上にスティーマーをセットし、下からの蒸気を利用して野菜やエビなどを蒸します。味噌だれは、卵黄を使った玉味噌、こっくりとした味が大根にも野菜やエビにもよく合います。玉味噌は多めに作って冷蔵保存も可能です。大根の美味しさを最大限に引き出す冬ならではの料理、寒い日に是非作ってみてくださいね。

にぎやか風呂吹き大根

材料

大根:約600g(長さ約20㎝)
昆布:10cm角1枚(乾燥昆布を浸水させておき、その昆布と水を使うと良いです)
【トッピング用】
カボチャ、芽キャベツ、マッシュルーム、エビ、鶏ささみ、などお好みのものを適宜
【玉味噌】
味噌:100g
砂糖:20g
酒:大さじ3
卵黄:1個分

作り方

❶大根は3cmの厚さに輪切りにする。外側に筋が入り込んでいるので、筋を取り除くために厚めに皮を剥く。(皮部分は細く切って、キンピラ等炒め物に使えます)煮崩れ防止のため角を面取りする。熱の通りを良くするため片面に1cmの深さの十字の切り込みを入れる。

❷鍋に昆布を敷き、大根を(切り込みを入れた方を下にして)並べ、ひたひたの水を入れて加熱する。(大根のえぐみが気になる場合は、その前に米のとぎ汁または米を大さじ1杯入れた水で下茹でする場合もありますが、気にならないようであれば省略可能)

❸沸騰したら中弱火で40分煮る。この間に上にスティーマーをセットして、トッピング用の具材を(加熱時間がかかるものから)順に入れ、下からの蒸気で火が通るまで蒸す。

❹小鍋に玉味噌の材料を入れ、混ぜながら弱火で加熱する。途中で手ごたえが変わってきたら(卵黄に火が入り少し硬さを感じる程度になったら)さらに1〜2分加熱しながら練り続ける。玉味噌は保存容器に移し、冷蔵庫でひと月ほど保存可能。今回使う分は大根の煮汁少々でのばし、ソースとしてかけやすい軟らかさに整える。

❺大根に竹串がスッと通るくらい軟らかくなったら火を止める。器に盛り、大根の中央部分をスプーンで取り除き、浅いへこみを作る。そこへ玉味噌ソースをたっぷりのせ、蒸した野菜・エビ・一口大に裂いた鶏ささみ…などを盛り付ける。一緒に煮た昆布を細切りにして添えても。熱々をサーブする。

佐々木由美
佐々木由美さん
料理家

ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で12年目。地元だけでなく北島・南島からの参加者もいる教室は今やワナカのアクティビティの1つに。NZの旬を取り入れ、日本の文化や風習とともに紹介する季節のレシピを軸に、遊び心ある融合スタイルも提案。ベジタリアン・オプションやグルテン・フリーにも対応。宿・ささの木も経営する。

【Web】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】Japanese cuisine cooking class @wanaka
【IG】yumi.matcha.wanaka

 2023年7月号掲載

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