2021年11月号掲載
ニュージーランドでも、季節折々の旬の食材を楽しみたいもの。今だから食べたいレシピをお届けします。
新緑の時期に食べたい、にんじんの葉
にんじんよりも栄養豊富
一年を通して身近な食材のにんじん。春夏に収穫されるものはシャキシャキとみずみずしい食感と甘さが特徴ですが、葉はさらに優れものです。βカロチン、ビタミンE、B1、B2、鉄分を含み、ビタミンA、ビタミンC、カルシウムは、根(いわゆる“ にんじん” )よりも断然栄養価が高いのです。根が小さいうちは葉がやわらかいので、初夏のこの時期、上手に利用してみませんか? スーパーで葉付きのにんじんを見かけた時、また家庭菜園で間引きした時の葉を利用してみるといいでしょう。
にんじんの葉は生だと苦味が強いですが、ちょっと火を通すと苦味が旨味に変わっておいしくなります。お浸しにすると、ほろ苦さと旨味の両方をよく感じられます。根であるにんじん同様にオイルと相性がいいので、かき揚げや炒め物もおいしいですよ。ビタミン類は加熱するほど失われていくので、さっと調理する程度がお勧めです。
旬を味わう若草焼き
若草焼きというのは、白身魚のグリルを若草味噌で香ばしくコクのある仕上がりにしたもの。味噌と卵黄、ここに旬の青物を加えます。ほうれん草・小松菜・菜の花などを使うことが多いですが、初夏のやわらかい葉にんじんを使ってみましょう。
葉にんじんを使った若草焼き
材料(魚一切れ約80gとして4切れ分)
白身魚(Lemon fishやBlue Warehouなど):300~350g
塩:少々
酒:少々
【若草ソース】
卵黄:1個分
マヨネーズ:大さじ1~2
味噌:小さじ1
葉にんじん(やわらかい部分を刻んだもの):大さじ2~3
作り方
❶魚の切り身全体に振り塩をして、酒少々を振って15分ほどおく。
❷若草ソースの材料を合わせておく。
❸160~170度に予熱したオーブンで、魚を5分ほど(または八分通り火が通るまで)グリル加熱する。
❹一旦取り出して、合わせておいた若草ソースを上にかけ、温度を200度に上げてさらに2~ 3分、ソースが色づくまでグリルする。(ソースは焦げやすいので注意!)
❺器に盛りつけて完成。グリーンの野菜をあしらったり、大きめの葉を敷いた上に盛りつけるのも奇麗です。
ひとくちメモ
料理教室でキーウィに紹介したら、「葉をウサギに食べさせておくのはもったいないほどの栄養なのね!」と大好評だった若草焼き。白身魚の代わりにサーモンを使ってもおいしいですよ。
佐々木由美さん
料理家ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で10年。旬を取り入れ日本の文化・風習とともに紹介する季節のレシピは大好評。宿・ささの木(sasanoki.co.nz)も経営する。
【ブログ】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】 Japanese cuisine cooking class@wanaka