2021年12月号掲載
ニュージーランドでも、季節折々の旬の食材を楽しみたいもの。今だから食べたいレシピをお届けします。
今こそ、腸も元気に免疫力アップを
タマネギは薬用成分が高い野菜
タマネギ独特の匂いと辛みの成分「硫化アリル」は、血液をサラサラにし、動脈硬化や血栓の原因となる血液の凝固を防ぐ性質があります。抗酸化力が高く活性酸素を撃退する「ケルセチン」も含まれており、アンチエイジング効果も期待できます。ケルセチンはタマネギが日光から身を守るために増やす成分ですので、タマネギを天日干してケルセチンを増やしてから料理に使うと良いでしょう。さらに、食物繊維が豊富なため便のかさを増やして腸の掃除をしやすくし、腸内細菌の大好きなオリゴ糖は細菌の良いバランスを保つことに役立ちます。
発酵タマネギの健康効果
ぬか漬けや韓国のキムチ、中国のザーザイ、ヨーロッパのピクルスやザワークラウト、インドのアチャールなど、昔から世界の家庭では発酵野菜が親しまれてきました。発酵した野菜は、乳酸発酵や酵母による健康的なメリットだけではなくうま味や保存性も高まります。今回紹介する「発酵タマネギ」は加熱しないため、血液をサラサラにする硫化アリルの熱に弱く水に溶け出る特性を生かせると同時に発酵過程で独特な辛みが減り、いろいろなお料理に合わせやすくなります。
簡単すぎる発酵タマネギ
材料
タマネギ:1個
塩:小さじ1(タマネギの重さの3%)
水:100g
作り方
❶タマネギを四つ切りにしてブレンダーへ入れて、ピューレにする。または、包丁でみじん切りやスライスし、ぬめりが出てくるまで塩でもむ。
❷❶を瓶へ移し、塩と水を加えてスプーンでかき回して、均一な液体にする。❶で塩もみした場合は、瓶に入れてタマネギが全部浸るように水だけを加える。
❸常温で保存する。瓶の外から気泡が見えてきたら蓋を開けて味をみる。辛みがなくなり酸味が出ていれば発酵した合図。春から夏は、1~3日間、寒い時季なら6日間ほどで発酵。
❹冷蔵庫で保存する。2週間ほどで食べきることをお薦めする。
ひとくちメモ
肉・魚料理の薬味、サラダ、ドレッシング、みそ汁、スープ、トースト、ピザなどと組み合わせてみてください。「罪悪感のないズボラ料理」になりますよ。
Kuniko Maruyama
丸山 国子チャイルドケアセンターで食事ケアに携わる。
東京の糖尿病専門病院に管理栄養士として勤務後、2015年よりNZ在住。
【Web】https://www.umamilife.net/
【Facebook】うま味ライフ