2022年5月号掲載
ニュージーランドでも、季節折々の旬の食材を楽しみたいもの。今だから食べたいレシピをお届けします。
少しずつ甘みが増してくる晩秋に、クマラ
栄養たっぷりの、マオリの伝統作物
ニュージーランドの食材の中ではとても長い歴史を持つクマラは、マオリの人々により持ち込まれ耕作されてきました。3~4月に収穫されたクマラは、寒さと共に糖度が増してくるので、これから冬にかけてが旬。オレンジ、レッド、ゴールド、パープルなどの種類が出回っているので、焼き芋で味比べをしてみるのも楽しそうです。食物繊維、ビタミンC、ベータカロチン、ビタミンEなど栄養も豊富です。
マッシュしたクマラで芋ようかん
今月は、クマラ餡から芋ようかんを作ってみましょう。甘いクマラ餡はトーストに塗っても、パイのフィリングにも美味しいです。一度にたっぷり作って小分けで冷凍しておくと便利。クマラ餡5 0 0 g分には、レッド・クマラ400gと砂糖180~200g(クマラの重さの45~50%、お好みで調整)を使います。①クマラは皮をむき小さく切りながら、水をはったボウルに入れます(アク抜きと色止めのため、途中で何度か水を取り替えて)。②クマラを茹で、串がスッと通るようになったら湯を切り、熱いうちに鍋の中で潰しながら練ります(マッシャーやスティック・ブレンダーを使うと早い)。③砂糖を加え、弱火にかけ、練りながら水分を飛ばします。ずっしりと重くなったら完成。塩を少々加えると風味が増します。
見た目も食感も楽しい!具を入れたハーベストようかん
材料 (1Lの容器、正方形・長方形・ローフ型などを準備)
粉寒天(agar agar powder) :6g
水 :300ml
クマラ餡 :500g
ハチミツまたはメープルシロップ(お好みで): 大さじ1~2
【具】
ドライド・アプリコット* :8~10個
ドライド・フィグ* : 6個
クルミ:40g
* アプリコットの食感を柔らかくするため、厚みを半分にスライスして、大さじ1の熱湯を(ラム酒があれば数滴加えて)かけて、しばらく置く。フィグは、指で(またはローリング・ピンで)押して、厚みを薄くしておく。
作り方
❶小鍋に粉寒天と水を合わせてよく混ぜながら火にかけ、沸騰後2分ほど中火で念入りに混ぜ続ける。
❷火を止め、クマラ餡を加えて混ぜる。風味づけにハチミツやメープルシロップを足す場合はここで。
❸容器に1/3量のクマラ寒天液を流し、そこへアプリコットと半量のクルミを散らす。その上に1/3量の寒天液を入れ、フィグと残りのクルミを埋め込むように配置する。残りの寒天液をのせ、表面を平らにする。寒天液は冷めると固まるので、手早く作業を(鍋の中の寒天液が固まってしまったら、弱火にかけると元に戻る)。
❹表面にラップまたは蓋をして、冷蔵庫で半日以上冷やし固めたら完成。
ひとくちメモ
1週間ほど冷蔵保存可能(冷凍保存も可能。食べる時に自然解凍)。あまり日にちを置かない方が鮮やかな切り口を楽しめます。粉寒天は日・アジア系食料品店で購入できます。
佐々木由美さん
料理家ワナカでローカル向けの和食料理教室を毎月開催して今年で10年。旬を取り入れ日本の文化・風習とともに紹介する季節のレシピは大好評。宿・ささの木(sasanoki.co.nz)も経営する。
【ブログ】japanesedinnertable.blog.fc2.com
【FB】 Japanese cuisine cooking class@wanaka