スーパーにずらりと並ぶワイン。見慣れた光景でありながら、いざ選ぶとなるとワンパターンになりがちではないですか?ニュージーランドの暮らしではとても身近で、国の産業としても重要な位置にあるワインについて、少し掘り下げてみましょう!
世界に認められるソーヴィニヨン・ブラン
ニュージーランドワインの生産量は、世界のワインの1%ですが、世界的にも評価されている質の高いワインを生み出しています。業界として、ぶどう畑の管理とワイナリー作業が環境に及ぼす影響を減らすことに注力していて、ぶどう栽培地の96%がサステイナブル認証を受けているという事実からも意識の高さが窺えます。
品種毎の生産量を見てみると、ソーヴィニヨン・ブランが圧倒的NO.1なのですが、それだけでなくこの品種は、ニュージーランドワインが世界に認められるようになる上でも大切な役割を果たした品種なのです。特徴としては、原産のフランスのものよりも香りが強く、柑橘やハーブ、青草を感じます。酸が高く、フレッシュさを楽しむスタイルに仕上げるのが主流ではありますが、野生酵母、澱との接触、オーク樽での発酵や熟成などの手法で造られているワインもあります。
有名な産地マールボロ以外にも、北から南まで多くの地域で栽培されていて、 暖かい北へ行くほど、より熟したメロンやストーンフルーツのような風味があり、南ではより高い酸、トロピカルフルーツやグースベリーのような風味が出やすくなります。
キリッと冷やして、ピクニックやアペロ(食前酒)に。またシーフードやサラダなど普段のお食事にも気軽に合わせやすいワインです。
力強く、果実味溢れるピノ・ノワール
2番目に多く栽培されているのは、ピノ・ノワールです。赤ワインの中でも淡い色調で、酸が高く、タンニンが低めなので、赤ワインは渋くて苦手なイメージがある方にもお勧めです。
ニュージーランドからは、力強く、果実味が豊かなワインが生み出されています。ピノ・ノワールは、気難しい品種と言われていて、栽培が簡単ではないのですが、ニュージーランドの冷涼な気候は、幸いにも上質なぶどうを造るのに適しています。主な生産地は、ワイララパ、マールボロ、ネルソン、ノース・カンタベリー、セントラル・オタゴで、それぞれの気候と土壌から、幅広いスタイルで造られています。
サーモンやチキンからラム肉、そして和食まで幅広く合わせることができますよ。
爽やかさを楽しむなら、気軽にNZ$20前後で、若めのヴィンテージを選びます。ソーヴィニヨン・ブランはちょっと苦手な方や、シャルドネの方が好きという方はBarrel Fermented などと書かれたボトルを試してみてください。
ワインエキスパートの理沙さんの厳選ワインをご紹介!
Greywacke Sauvignon Blanc 2023
クラウディベイで25ヴィンテージを醸造したケヴィンが立ち上げたワイナリー。マールボロの中でもプレミアムな1本。
品種:ソーヴィニヨン・ブラン
産地:マールボロ
WEB:greywacke.com
Greywacke Wild Sauvignon 2021
こちらは、野生酵母、樽を使用して醸造。エキゾチックな香り。熟した果実味と、クリーミーなテクスチャー。
産地:マールボロ
WEB:greywacke.com
Pegasus Bay Pinot Noir 2021
カンタベリーの老舗ワイナリーが、ブルゴーニュの醸造方法で造るピノ・ノワール。ベリーやカカオ、マッシュルーム、スパイスの風味。複雑で魅力的なワイン。
品種:ピノ・ノワール
産地:ノース カンタベリー
WEB:www.pegasusbay.com
ダイヤー 理沙 さん
2001年からニュージーランド在住。
J.S.A ワインエキスパート。WSET Level3。
ワインの勉強をしつつ、お料理とのペアリングを考えたり、NZでのワイナリー勤務の経験、現地の視点を交えてNZワインの魅力やお役立ち情報を発信中。
Instagram: @luv.vin.nz
WEB: lovewinenz.blog
Email: info@lovewinenz.com