グローバルグリーンズ加盟の環境政党。
自然保護・マオリ支援・人権問題に注力
キャッチフレーズ:The Time is Now
経済対策
税制を見直し、すべてのニュージーランド人の収入が週385ドルを下回らない所得保証をする。非課税基準額を1万ドルとし、所得が12万5000ドル未満の人は減税。それを達成するため、個人で200万ドル、カップルで400万ドルを超える純資産に富裕税を課す。信託税1.5%を導入し、法人税率は28%から33%に引き上げ、18万ドル以上の所得に最高所得税率45%を適用。
移民対策
ワークビザ保持者に、職種に関わらず永住権取得のプロセスを提供。健康診断の内容を見直し、健康状態や障害の有無によって永住権が棄却されるのを防ぐ。ワークビザを単一の雇用主から分離し、ワークビザ保有者が雇用先を替えられるようにする。難民がその家族を呼び寄せられるよう支援し、ビザ保持者のパートナーが働ける権利を回復、さらに保護者ビザ取得の障壁となる収入項目をなくす。ワイタンギ条約に基づき、マオリの家族や種族、南太平洋コミュニティの移民をサポート。段階を追って2026年までに難民枠を5000まで増やし、高水準の定住プログラムを提供。
子育て支援
有給育児休暇を15カ月に延長し、パートナーに向けた追加の育児休暇および支給額を増やす。妊娠中から産後の社会サービスを向上させ、母親の健康を守る。1歳以下の子供を持つ親に支給されるベスト・スタート・ペイメンツを週140ドルに増額。学齢期の親のための再就職プログラムとして無料のトレーニングを提供。
子供・若者への支援
すべての子供と若者が国連に保障された健康で幸せな生活を送るための政策を行う。人種・差別・文化の違いなどをテーマにした学校教育の構築。子供たちの意見を政府の方針に取り入れ、特に気候変動に関する計画を立てる。両親への休息ケアを含む社会サービスを平等に利用できるようにする。子供と若者に向けた無料のメンタルヘルスケアサービスを全国で展開。ワイタンギ条約に基づく権利の理解を促すため、児童委員会が独立した監視権限を持つことを再確立する。
デンタルケア
すべての市民に対して検診・クリーニング・基礎的な歯科医療といったデンタルケアを無料で提供すると発表。デンタルケアは公的ヘルスサービスに含まれておらず、1回の治療にかかる費用はおよそ353ドルと、週の平均所得の40%にも上る。これは医療費が高額とされる米国よりも高く、現在ニュージーランドでは歯科医療を必要とする人の40%が経済的な理由で適切なケアを受けられていない。
住宅問題対策
賃貸の場合、家賃の値上がりは年間3%以下に抑え、新入居者の家賃は以前の入居者と同額とする。初めて住宅を購入する人に向け、政府による低金利ローンなど支援を拡大。また、過去4年間に初めて住宅を購入した人に向けて、政府支援の住宅ローン借り換えを提供し、金利による生活苦を防止する。コミュニティハウスの開発を進め、長期滞在を可能にする手頃な賃貸住宅や共同所有住宅を提供する。
気候変動対策
独立機関として気候省を設立し、ゼロカーボンと気象変動へのプランを確立。地球温暖化の気温上昇を1.5℃までと制限し、温室効果ガス総排出量を削減する。農家に対し、家畜の糞尿やゲップによるメタン排出量に価格を導入し、削減目標を達成する。植林や沿岸湿地帯の回復、生態系の保護など、自然をベースとした長期的な解決策を優先。南太平洋島嶼国と連携して対策に取り組む。パリ協定の合意内容を守り、世界をリードして社会的責任を果たす。温室ガス削減と持続可能な職場環境を整える。
環境保護対策
独自の生態系を守るため、保護地での新たな採掘を禁止する。自然湿地を復元し、自然ベースの洪水対策とする。保護地、特にマオリの地主へ経済支援を行い、先住生物の多様性を強化。先住生物を脅かす害獣・害虫を駆除し、2025年までに捕食者ゼロを目指す。ナイタフとの協力の下、亜南極マウカフカ・オークランド諸島に生息するネズミ・豚・猫を排除する。海洋保護区を再設定し、2030年までに少なくとも海洋環境を30%改善する。沿岸地域での海洋発掘を禁止し、公海における海洋発掘を一時停止する。底引き網漁など有害と思われる漁法を段階的に廃止する。現在ある森林を保護し、新しい森を造るプログラムを実施する。
人権・ジェンダー問題
有色人種の女性やマオリ、障害者、性的少数者といったマイノリティを政治における代表者として公平に任命する。ジェンダーや人種によっての賃金格差をなくすため、給与計算・支払いを透明化する。
薬物法の改正
根拠に基づいた薬物法の改正。1975年に制定された薬物乱用法を廃止し、薬物問題を健康問題として取り扱う。大麻の販売場所を制限し、個人使用による被害とリスクを最小限に抑える。スポーツや文化イベントを含むすべての場でアルコールの広告とスポンサーシップを段階的に廃止。医療用大麻の使用条件を改善。
2023年9月号掲載
Text: Miko Grooby