ニュージーランドで生活基盤を築いたものの、親など家族の介護で日本に帰ろうか悩んでいる、または、子どもの進学で日本の学校に行かせたいと考えているなど、ふとしたときに頭をよぎる「もしもの本帰国」。
いざ本帰国となったときに、何の準備をいつしたらいいの?という不安へのモデルケース例(ToDo リストや体験談)、日本とニュージーランドに実際住んでみてどう?という疑問に対する感想などをまとめてみた。
本帰国なら売るのが大半?!
帰国を決めたけれど、家をどうしよう?これは購入した時期や不動産の特質、個人のビザステータスを含む状況により、答えが違って来ます。購入した時期が2018年10月22日より前であれば特に問題ありませんが、それ以降不動産に関する法律は度々変更されて来ました。NZパスポートをお持ちでなく一般居住者(居住可能なビザを持ち年間183日以上NZに滞在)でなくなる場合は、売却が義務となるケースも。ご自身のステータスで不動産保持が可能か確認したい場合は、OIO(海外投資家事務局)へお問い合わせください。
賃貸にできても難易度は高い
諸条件を満たした上で、住居が賃貸しやすくまた将来的にキャピタルゲインも期待でき、個人的状況が許すのであれば、そのまま投資物件として保持し賃貸に出すのも一案。但し、現在NZではヘルシーホームスタンダード(以下HHS)の規定を満たしていない物件を賃貸することは違法となり、膨大な罰金(NZ$4000)の対象に。HHSとは、例えば床と天井に規定値以上の断熱材が入っている、リビングルームに壁付けの暖房機があり部屋を18度以上に温められる、壁・床・窓・天井・玄関等に穴や隙間がなく風が通り抜けないこと、キッチンとバスルームに換気扇があることなど、居住者が健康的な生活を営める為に定められた法律で、この規定に準じた住居であることが賃貸の最低条件となります。それまでリノベーション等して来なかった古い家を賃貸に…という場合は、まずHHSの基準を満たす為だけに何万ドルも費やさなければいけなくなることも。空き家にしておくよりは人が生活している方が家は荒れないと言いますが、家のメインテナンスを小まめにしてくれるテナントが非常に稀であることもお忘れなく。その点、公共場所や外回りをボディーコーポがメインテナンスしてくれる集合住宅の方が、寧ろ賃貸には向いているかもしれません。
売却なら予算内で印象を良くする
売却をお考えの場合もHHSの基準をクリアしているに越したことはありませんが、ここはマストではありません。まずは見た目が重要、客観的に自分の家を見て、コストパフォーマンスを考えつつ、目に付くところから奇麗にしていきましょう。有り余る予算があるという方は別ですが、そうでなければまず最初に目に入る家周りの印象から。草木が育ち過ぎていたり、枯れ葉やゴミが散乱していたり、芝が伸びすぎていたり…家の内外の不要物を徹底処分、生活感を見せないことから始めて行くと吉。子育て中の移住のヒント
家を売るタイミングって!?
帰国前でも帰国後でもOK。いつお金が必要かなど個人的な事情もあると思うので私ども不動産業者や弁護士等にご相談を。帰国後の場合も事前に不動産業者と弁護士は決めておきましょう! ※課税対象になるかは個人の状況によります。
メインテナンスしておくと良いこと
雨樋:枯れ葉やゴミは溜まってませんか?割れたり欠けたりしていませんか?
自分で処理できない場合は専門家に依頼して!
庭:草木の手入れ、芝刈り、枯れ葉や不要物、ゴミ等落ちていませんか?
デッキは汚れていませんか?ドライブウェイは奇麗ですか?
屋根:雨漏り等無いですか?怪しいと思ったら、専門家へ相談!
外壁:ペンキが剥げているところ、汚れが目立つところ、ひび割れ等無いですか?
内壁・天井・床:カビやシミ等気になるところは無いですか?
水回り:水漏れ等無いですか?カビは生えませんか?
見た目で効果的なリフォームは?
第一印象が重要。コスパが良く効果が高いのは外回り。草木の手入れ、芝刈り、玄関や外壁等に目立った汚れはないですか?
お金をかけたくない場合、まずは断捨離。家の内外の不要な物は思い切って処分。生活感のある物は極力目に入る所に置かない。
住みながら売却の場合もできるだけ物を減らし、ホームステージング(家具・丁度品等コーディネイトを兼ねてレンタル)するだけでも家の印象はガラリと変わります。
また、快適に住むための最低限のメインテナンス、修理修繕を優先した上で、家の内外を徹底的にお掃除。
予算が許す場合、室内外のペイント、床やカーペットの張替え等も◎。キッチンやバスルーム等水回りのリノベーションは最も予算がかかります。場合によっては趣味に合わない…と判断されてしまうこともあるので、自信が無いならあまり奇を衒わない方が吉。リノベするより徹底的に掃除して清潔感のある水回りを演出する方が良い場合も。
注意:バイヤーが銀行からお金を借りれなくなってしまうので、違法な増改築は絶対しないで!
2023年3月号掲載
取材・文 GekkanNZ