デジタル活用で新しい世界を楽しみながら歳を重ねよう

デジタル活用で新しい世界を 楽しみながら歳を重ねよう LIFESTYLE

デジタル活用で生活が容易になり、講座で出会った仲間たちと楽しくデジタル交流する場になっているのがAge Concern Auckland(以下ACA)が開催する「65歳以上対象の無料デジタル活用コース」だ。デジタル活用はあくまでツールで、ニュージーランドでの暮らしをより便利で楽しくすることがこのコースの目的だと語る、ACAのコース講師の若嶋郁恵さんにお話を伺った。

デジタル活用で安全で便利に「新しい世界」を楽しもう

ACAは65歳以上の日本語話者シニアを対象とした「無料デジタル活用コース」を開催している。クラス毎に定員8名、週1回2時間で全8週間、楽しく学べるように4つのレベルを開催。(レベル3、4は今後開講予定)お邪魔すると、受講者たちがリラックスしつつも真剣にデジタル機能を学び、お茶やお菓子をつまみつつ、洒脱でユーモアあるジョークを交えながら楽しく交流し、社交の場としても愛されているのが伺えた。

講師が参加者のペースに合わせて講座を進める中、フィッシングメールの見分け方を含むインターネットセキュリティ、LINEやZoomなど家族や友人とのコミュニケーションに便利な機能、そして医療や買い物など日々の生活に役立つグーグル翻訳やグーグルマップ、Auckland Transportのバス利用アプリ等を学ぶそうで、ニュージーランド移住初心者も学びたくなる有意義な内容も含む。旅先のハワイからオンライン受講してみたメンバーもいたそうで、生活が快適になるだけでなく「新しい世界を覗いているように楽しんでいる」そう。

ACAが主催するデジタル活用コースで講師を務める若嶋郁恵さん
ACAが主催するデジタル活用コースで講師を務める若嶋郁恵さん(写真中央)、受講者さん(左)、ボランティアさん(右)の講座風景。郁恵さんは二児の母として子育ての傍ら、不登校児童留学サポートの仕事もしつつ、一人一人の問題が解決するまでデジタル活用コースの講師としてシニアをサポートしている。「キャリアとしてもACAでの経験は有効だと思いますが、助けになるような仕事が好きなんです」と語る。

講師の若嶋郁恵さんへの受講者の信頼も厚く、「デジタルのことで困っていたら解決するまで手伝ってくれた」「家族よりもスマホのことを教えてくれます(笑)」とのこと。「スマートフォンは機種によって操作方法に違いがあり、皆様が様々な機種を持っていらっしゃるので、一人一人がご自身の機種で操作できるようサポートしています」と郁恵さん。現在第一期メンバー(午前)はLevel1の講座を終え現在Level 2を受講中で、第二期メンバー(午後)はLevel 1を受講中、さらに10月から第三期を開講予定で、なるべくたくさんの方に参加していただきやすいよう日時や場所を調整しているとのこと。

実務ボランティアも募集中

「ACAは非営利団体であることに加え、人種、文化、年齢を超えた交流を促進するためボランティアの協力を得てサービスを提供しています。しかし、コロナの影響でボランティア数が25%減少し、ボランティアが足りない状況です。長い方ではもう数か月適切なボランティアが見つかるのを待っている方もいらっしゃいます。利用者の中には日本に住んだことのある方や日本の文化にとても興味を持っている方もおられますので、興味のある方はぜひACAまでご連絡ください」と、ACAのスタッフは語る。

現在、全国に70か所あるAge Concernの支部の中でアジアンサービスを提供しているのはACAだけで、中国語の北京語、広東語、韓国語、日本語でサポートしている。まだACAが提供する全てのサービスを日本語で提供するには至っていないそうだが、スタッフやボランティアが増える事でよりサービスも充実していくことが期待できるそうだ。日本語サービスではデジタル活用講座のサポート、週に1度電話で一人暮らしのお年寄りの話し相手になって下さる方、移動手段のない高齢者のために送迎車の運転をして下さる方などをボランティアとして募集している。

「ぜひAge Concernの理念『安心して歳を重ねる』に共感し、ボランティアとして思いやりのある姿勢で受講者の問題に向き合ってくれたら嬉しいです。私個人としては不登校児童の留学や起業・事業のサポート業務もしていて、自分が出来ることで人の笑顔につながることにやりがいを感じます。人生の大先輩のお話も聞けて有意義ですし、皆様のユーモアに触れるのもとても楽しいんです」と講師の若嶋さんは語る。受講者としての参加はもちろん、ボランティアとしても楽しく有意義に参加できるAge Concernのサービスにぜひ繋がろう!

第一期レベル1修了式にて。
第一期レベル1修了式にて。出席率やレベルに応じて、受講者には修了証が授与される。

Age Concern Aucklandの主な活動

Health Promotion:身体的、精神的、社会的に活発な活動を送ることを目的とする(エクササイズクラスや自動車の運転、終活やインターネット詐欺への対処方法等のワークショップ等)。

Social Connection:配偶者との死別や環境の変化、文化の違い等から生まれる孤独を解消するために社会と積極的に関わっていくことを推進する。

Community Social Work:安全で健康的な生活環境をととのえるために必要な手続きをサポートしたり、外部組織と連携し必要な支援をコーディネートする。

Elder Abuse Response Service:高齢者への虐待行為が報告された場合、環境支援、Power of Attorney (後見人制度)のアドバイス、介護施設や福祉サービス提供者への教育活動などを行う。

Total mobility card:トータル・モビリティ制度は公共交通機関の利用が困難な方がタクシーを利用しやすくするために大幅な割引が受けられる制度。ACAはATが提供するTotal Mobility Schemeのアセスメントを委託されている(アセスメント費用別途、ATから指定されたタクシーでのみ利用可能)。

デジタル活用コース:65歳以上のシニア世代のデジタル知識を向上させ、携帯、タブレット、パソコンを活用する機会を提供するとともに、シニア世代が地域活動に積極的に参加できることを目指す。Ministry of Social DevelopmentとOffice for Seniorsの支援によって無料で開催。現在第一期、第二期で講座をスタートさせつつ、10月からの第三期メンバー・ボランティア参加者も募集中。
お問い合わせはこちら。ikuew@ageconak.org.nz

集まろう会:毎月第四木曜開催、65歳以上の日本人シニアを中心に、年齢問わず日本語で楽しくおしゃべりしたい人を対象。日本のお茶やお菓子とともに書道、水墨画、手作り作品の持ち寄り、津軽三味線などをボランティア講師の指導を受け体験してきた。今後も参加者とテーマを相談しながら交流する。

主催:Age Concern Auckland
開催日時:毎月第四木曜10am〜12pm
開催場所:Freemans Bay Community Hall Function Room, 52 Hepburn Street, Freemans Bay, Auckland
参加費:ゴールドコインドネーション
問合せ先:atsumaronz@gmail.com

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【Ph】09-820-0271/021-248-3775(日本語)
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2023年9月号掲載
Text: Emi Sakai

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