2022年7月号掲載
冬のお庭はなんだか寂しげ。けれど夏とは違った表情を見せる植物に注目すると、いろいろあって楽しい。例えば、コプロスマ。中でも“Pacific
Sunset”や“Fire Burst”の燃えるような綺麗な赤色、“Midnight Martini”の深い濃い紫の色変化は、冬だけのお楽しみ。サンゴミズキ(Cornus
alba “Sibirica”)は、葉が落ちるとその美しい深紅の枝を楽しめる。グラウンドカバーのアジュガ
(Ajuga reptance)は寒さを感じてキレイな紫に葉色を変化させる。だから、あえてそういった植物を庭に取り入れておくのもお勧めだ。
そして実は、この時期にやることも目白押しだ。枝だけになった落葉樹は絶好の剪定時期。
葉がない時期は枝振りがよく見えるので必要な枝と不必要な枝の区別が付きやすく、また休眠期にカットすることで木に負担をかけないっていう利点がある。じゃあどこを切るか? 内側や下向きの不要枝、株元から生えるひこばえ、交差した絡み枝など、枝が混み合う場所をスッキリさせると、日光と風が満遍なく行き渡り、結果的に病害虫予防にもなる。
さらに、花が終わり完全に葉の落ちたバラなども剪定して、有機肥料を施しておく。有機肥料は実際に効くまでに時間がかかるので、冬の内に施しておいて、春の芽吹きに備えるってわけだ。もっと言えば、少しはげてきたパーゴラやベンチ、フェンスのペンキ塗りも、植物の葉のない冬の方がよりスムーズに行える。
ああ、やること満載。冬の色変化をのんびり楽しむ暇なんて、案外なかったりして⁉
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。
【ブログ】naomigarden8.com