驚きのニュージーランドフラックス

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭と LIFESTYLE

日本でよく扱っていた植物が実はニュージーランド出身だったのを、この国に来て知ったものがある。皆さんお馴染みニュージーランドフラックスがそれだ。まず自生種だけあり、園芸店で取り扱っている品種量の多さに驚いた。色、丈、葉の大きさなど、日本でこんなに多くの品種は手に入らない。そして、もう1つ驚いた事は、毎年花が咲く事。まず日本で花が咲いたのを見た事がなかった。だからこちらに移住した初年度、あちこちで開花したこの花に狂喜した。おかしいよね。

学名を見れば違いが分かりやすいぞ!
マウンテンフラックス
庭植えには、マウンテンフラックスなどの矮性品種が、扱いやすくおすすめ。

日本だと何十年に一度咲く珍しい花?!とも言われていたりして、花が咲いたら新聞社の取材が来て、地元の驚きニュースになったりもしている。ニュージーランド人が聞いたら、きっと笑うだろう。え?毎年咲いているけどって。この植物、学名ではphormium(フォーミューム)って言うんだけど、日本語名はニューサイランと言う。何故日本語名でニューという英語らしき文字が?とずっと引っかかっていた。最近ようやくその謎が溶けた。日本では全ての外国を漢字で当てているのはご存知だろう。例えばアメリカは米国、イタリアは伊太利、ドイツは独逸、そしてニュージーランドは新西蘭。あれ?これ読み方によってはニューサイランって読めるんじゃない?そう、この植物、国の漢字名が由来になっている。でも一植物が国名と全く同じだとまずいって事で、新才蘭という漢字が当てられたとか。でももう1つ、何故日本では花が咲きにくいのか、環境?もしくは土の性質?今だに謎だ。誰か知っている人がいたら教えて?!

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本でガーデンデザイナー、イラストレーターとして活動。
園芸雑誌や新聞へのコラム執筆、デザイナー向け講演も行う。
現在クライストチャーチ近郊に在住。

【ブログ】naomigarden8.com

2023年6月号掲載

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