こちらで園芸関係の仕事をする上で、個人的に大変苦労しているのが植物名。NZや英語圏の庭業界では、世界で共通の学名とコモンネームと呼ばれる通称名で植物が流通、紹介されています。お客様にプランを提出する時は、学名とコモンネーム両方を記載してプランティングプランを作ります。日本というのは独特で、もちろん専門的には学名が存在するのですが、園芸業界でも学名をローマ字読みしたもの、もしくは姿形から名付けられた和名がごちゃごちゃになって植物名として扱われています。そして観葉植物においては、業界で扱う短縮名もあったりします。
日本で園芸業界のイロハを学んできた私にとって、この植物名の覚え直しは本当に苦労しています。特に間違ったローマ字読みの植物に出会うこともしばしば。例えば、古代エジプトで紙を作る原料にしていたシペラス。こちらのガーデンセンターでも夏になるとチラホラ見かけます。これは学名からきた日本名と察して、それっぽく発音したら通じるかと思いきや通じず、という苦い経験が。これがサイプラスと呼ばれる事を知り学名を見たらCyperus papyrusの文字。このCyをシと読んで普及したんだろうと推測しました。このローマ字読み表記の植物には、心底大変苦労しているという訳です。でも、日本独特の風情を感じる和名は大好きです。スカビオサ(Scabiosa japonica)を日本名では松虫草と呼びます。スカビオサの情景や季節感を想像できる名前は美しく、これまた日本の大切な文化の1つなのではと感じます。ちなみに、NZでこの時期よく見かけるスカビオサは西洋松虫草(Scabiosa atropurpurea)でヨーロッパ原産種。
年末年始に楽しみたい縁起の良い寄せ植え
年末年始の大イベント、クリスマスそしてお正月のテーマカラーといえば紅白。縁起の良い色としてお祝い事でよく使われる色合いです。せっかくなので、縁起色の中でも元気の出る赤色を取り入れた寄せ植えを作ることにしました。年末年始から長いスパンで楽しめる、観葉植物の寄せ植えを紹介します。
使用したもの
楕円形の盆栽鉢、ミニタイプのアンスリウム、ドラセナ(Dracaena colorama)、フィカス バーガンディ(Ficus elastica ‘Burgundy’)、レックスベゴニア、コルムネア(Columnea)、シダ類(Blechnum silver lady)。紹介した植物を使わなくても、色々な品種でチャレンジしてみましょう!
植物選びのコツ
赤をテーマした場合、赤み帯びた葉色の植物を組み合わせるのがポイント。そして色々な葉の形の品種をミックスして使うのも、単調にならずおしゃれに見せるコツ。緑の濃淡バリエーションがあると、さらに雰囲気UP。シダ類を入れると爽やかな印象に。
今後の管理
乾いたらたっぷり水をやります。それぞれ成長してくると、小さな鉢には収まらなるけれど、その時が植え替え時。1年ほどは、そのままで楽しめます。
鉢とミニタイプの観葉植物を準備。必ずメインになる植物を決めて、それを基準に色合わせを決めていきます。今回は赤のアンスリウムをメインに。
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美日本では園芸業界に長く関わりガーデンデザイナー、イラストレーターとしても活動。NZ移住後も日本園芸雑誌にコラムやイラストを描きつつ、NZ国内でもガーデンデザイナー、ガーデナーとして活動。クライストチャーチ近郊在住。
【ブログ】naomigarden8.com