冬のちょっとした楽しみ

園芸家が見つけた季節のたより 花と野菜と庭と LIFESTYLE

寒い季節になりました。朝の窓から見る芝生の霜の張り具合で寒さを知るって、なんかニュージーランドにもだいぶ慣れたなあと感じる今日この頃。お庭は夏に比べれば、やっぱり寂しげなのはいとえない。もちろん今の時期に花が楽しめる屋外植物もあるけれど、暖かな室内で綺麗な花が身近に咲いていたら、なんだか気持ちも上がるよね。今私のお部屋では観葉植物に混じって幾つかの花の咲く鉢物や切り花を楽しんでいる。シャコバサボテンは義理の母から数枝もらって挿し穂にしたもの。今年は夏に少し葉焼けしてしまい、枝を摘んだせいか、花つきが悪いがまあ良いとしよう。それからやっぱり冬の定番シクラメン。フリンジのピンクのシクラメンが室内のコーナーでアクセントになっている。

ダイニングで楽しんでいるアレンジ。幾つかのプロテアと、リューカデンドロン。そして庭のMuehlenbeckia astoniiを追加。枝のジグザグがとてもアーティスティック。

窓ぎわにはセントポーリア。これも、室内である程度の暖かさと朝日の当たる窓辺で管理すれば、冬の期間も花を楽しめる。デスク周りやダイニングには切花も楽しんでいる。デスクで仕事をするときに周りに花があると、私的にはモチベーションが上がるのよね。前回紹介したリューカデンドロンやプロテアは花持ちが良いし、さらにはニュージーランドでは比較的安価な切り花として購入できるから、これらのお花を飾って楽しむのもおすすめ。私は今、庭のミューレンベッキアの枝を一緒にアレンジして楽しんでいる。買ってきたお花と一緒に、庭にある灌木の枝やフラックスの葉っぱなどを合わせてアレンジすると、雰囲気も良いし少し豪華になる。何もすでにアレンジしてある花を買わなくても十分素敵なブーケが楽しめる。

他にも、コチョウランやカランコエなどの花が咲いている鉢はこの時期園芸ショップやスーパーにも並ぶから気に入ったものを購入してもいいかもね。そのうち7月も後半になれば、水仙があちこちでさきはじめ、良い香りを撒き散らし始める。さらに8月にもなれば、満開の水仙、スズランのようなベル状の白花が可愛らしいスノーフレーク、桜、マグノリア、赤や白のボケや黄色が眩しいマンサク、まるでブーケのようなポンポン状の花が見事なシャクナゲ、そしてニュージーランドの国花でもある黄色のコーファイなど、次々に咲き始める。そうなれば、いよいよ春の到来を感じずにはいられない。とは言え、あともう少し寒い時期をやり過ごさないといけない。ランは少し値が張るけど、紹介したシクラメンやカランコエの鉢花や、リューカデンドロンやプロテアの切花はそこまで高価でないので気軽に楽しめる。コーヒー+アルファくらいの値段で、何日間も幸せをくれるって、私的にはかなりコスパがいいって思うんだけど。自分のためのちょっとした贅沢、これって案外大事よね。

こちらがジグザクの枝が魅力のミューレンベッキア・アストナイ(Muehlenbeckia astonii)。半常緑で、寒い地域では葉を完全に落とすが、暖かい地域だと少し葉を残す。刈り込んで丸く仕立てたものもよく見かける。

Naomiさんとネコ先生
Naomi Goto Garrett
五嶋ガレット直美

日本では園芸業界に長く関わりガーデンデザイナー、イラストレーターとしても活動。NZ移住後も日本園芸雑誌にコラムやイラストを描きつつ、NZ国内でもガーデンデザイナー、ガーデナーとして活動。クライストチャーチ近郊在住。
【ブログ】naomigarden8.com

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