今年開催されるNZ International Comedy Festivalに、オーストラリアと日本で活躍する日本人コメディアンの若杉昂志さんが参加する。このコメディフェスは30年続くイベントで、国内外のコメディアンのパフォーマンスが見られる。日本人の視点を持ちながら西欧と日本の文化をネタにしているという若杉さんにお話を伺った。
歴史あるコメディフェス
NZ International Comedy Festivalは、1993年にオークランドのウォーターシェッド・シアターでの「オープン・スラザー・コメディの3週間」を皮切りとして開催されるようになった。トップ・ツインズ、コルベット・ブラザーズ、シュガー&スパイスなど、初期の出演者の名前に聞き覚えがある人もいるだろう。
同じく初期に出演した国際的に有名なコメディアンといえば、アラン・デイヴィス、サイモン・ペッグ、ビル・ベイリーなどがいる。
観客に愛されたこのフェスティバルは、毎年のように規模を拡大し、今日ではアオテアロアのアートシーンに欠かせない大規模イベントとなった。2019年には、9万人もの観客を動員し、その満足度はなんと98.5%! 毎年、120以上のショーシーズンがあり、200人ほどのコメディアンが750以上のパフォーマンスを披露し、地元と世界の最高のコメディをお届けしている。
開催場所はオークランドとウェリントンの2か所。Qシアター、ベースメントシアター、バッツなどの劇場の例に見られるように、会場側としても重要な収益源となっている。
運営するNZコメディ・トラストの使命は、観客にバラエティに富む質の高いライブ・コメディを提供すること、これまでコメディを見たことのない人を新しく開拓すること、コメディにNZの文化的多様性や開放性を織り込むこと、そしてみんなを笑わせてくれるこのコメディというアートを国として称えることだ。そしてNZのコメディをより良くするため、国際ツアーを企画するプロモーターの目にNZが留まるよう日夜邁進している。
日本人コメディアンの若杉昂志さんも参加
このフェスティバルに参加する、オーストラリアと日本を拠点に活躍するコメディアンの若杉昂志さんにお話を伺った。
Q.スタンドアップコメディアンを始めたきっかけはなんですか。
オーストラリアのシドニーに交換留学した際に、たまたまスタンドアップコメディのショーを見たのがきっかけです。すごく楽しそうだったので、挑戦したくなりました。
Q.スタンドアップコメディを通して伝えたい、表現したいことは何でしょうか。
日本人ならではの感性、感覚は大事にしています。
Q.コメディアンとしての次の目標は何でしょうか。
新しい、そして面白いジョークを書くことです。一歩一歩の積み重ねです。
Q.日本とNZでのコメディアン業界の違いはありますか。
縦社会、敬語がないことです。
Q.オーストラリアなど海外でパフォーマーをしていてどんな利点や楽しさがありますか。
たくさんの友達を作ることが出来ることと、いろんな場所に旅行が出来ることです。
Q.このフェスティバルの見どころはどこでしょうか。
たくさん面白いコメディアンが集まるので、是非多くのショーを見に行ってほしいです。
Q.どのようなことをテーマに今回のNZでのフェスティバルでパフォーマンスする予定ですか?
文化の違いや言語の壁をネタにするつもりです。海外に住んだことがある方には共感していただけるかと思います。
ぜひこの機会に若杉さんのスタンドアップコメディを見に、NZ International Comedy Festivalに駆けつけよう!
若杉 昂志さん
Takashi Wakasugi “Waka”
日本人コメディアン。同志社大学在学中の2012年にシドニーのニューサウスウェールズ大学に一年間交換留学を経験し、その際に英語のスタンドアップコメディを始めた。その後、オーストラリアと日本でキャリアを積む。文化の違いや言語の壁に関してジョークを書いており、いかに日本が美しく、Weirdか、欧米文化が素晴らしく、Crazyかをネタにしている。
【IG】@waka_waka_yay_yay
NZ International Comedy Festival 2023
5-28th May at various places in Auckland
若杉昂志さん「Waka」のスタンドアップコメディを見よう!
23-27th May at 7:15 pm Auckland – The Classic Studio
www.comedyfestival.co.nz/find-a-show/welcome-to-japan
取材・文 GekkanNZ
2023年4月号掲載