これはチャンスか? ブライトライン新ルールスタート

プロが教える!ニュージーランド不動産 LIFESTYLE

2024年冬、NZの不動産に関するルールが再び改定された。元々この国では不動産に対する『キャピタルゲイン』つまり『資産の値上がりによって生じる利益』に対する税金の立ち位置が、非常に曖昧だった。不動産を短期間の内に購入・転売し利益を得た場合は商業的売買と考えられ、キャピタルゲイン・タックスを支払うべきとはされていたが、2015年9月30日以前はこの『短期間』の具体的な期間が定められていなかったのだ。故に当時は個人が不動産購入後リノベーションを施し直ぐに転売して利益を出したとしても、自己申告でもしない限りキャピタルゲイン・タックスを請求されることは無かった。DIYがDNAに入っていると言われるほど、DIY好きな国民である。昔はこのDIYで短期転売を繰り返して、一財産築いた人達も大勢いた。

Woody Life Ltd リノベーション施工例
Woody Life Ltd リノベーション施工例

時は流れて、ルールは改変に改変が重ねられる。ブライトラインが登場したのも、不動産売買のプロセスを商業的か否か見極めるのが、大きな目的だった。このブライトライン、ブライトライン・テストとも呼ばれる。文字通り試験的に開始したという印象で、故に流動的なのかもしれない。2015年10月1日から適用となり、この日から2018年の3月28日までに購入した不動産は、2年以内に売却し利益を得た場合課税対象とされた。但し、オーナーが居住しているいわゆる『自宅』は対象外となる。その後労働党により2018年3月29日以降に購入した物件については、5年以内で売却した場合と変更され、さらに2021年3月27日以降に購入した物件については、この期間が10年にまで引き延ばされた。但し新築の場合はこれが5年と優遇されていたあたり、政府が新築を推しているのは、明白である。

Woody Life Ltd リノベーション施工例
Woody Life Ltd リノベーション施工例
Woody Life Ltd リノベーション施工例
Woody Life Ltd リノベーション施工例

このブライトラインが今年2024年7月1日再び改定された。2024年7月1日以降は、購入して2年以内の不動産を売却した場合のみ課税対象となる。つまり2年より長く所有した物件の売却であれば、それが自分が居住しない投資住宅であったとしても、課税対象とはならないわけだ。多くの個人にとって、これはチャンスとなるのだろうか?将来的な転売で利益を上げることが目的の場合、法的に問題の無い増改築でなければ、逆に資産価値を落としてしまうこともあるので、ご注意いただきたい。何をするにも、まずは情報収集そして専門家への相談をお勧めする。

Hiroko Jenny
イェニー浩子

1994年よりオークランド在住。ツアーガイド、クレジットカード会社、ブランド店勤務を経て不動産業界12年目。YouTubeでは不動産だけではないNZ情報発信中。

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