2022年10月号掲載
ニュージーランドでは、これまで大きな治安上の問題が起きていないと思われがちですが、日本と比較すると犯罪発生率は依然として高く、防犯対策には十分な注意が必要です。安全に暮らすためにも、「自分の身は自分で守る」という心構えを常に持ち、ニュージーランドで実際にあった盗難被害の事例や対策法を知ることも一つの手段かもしれません。
実際にあった盗難被害
映画館で映画を観ていたところ、足下に置いた貴重品を入れた鞄が盗まれていた。
クイーンストリートで空港バスを待っている際ひったくりに遭い、鞄と携帯電話を奪われた。
夜間、就寝中に何者かが侵入して部屋に置いてあった貴重品が盗まれた。
バーで貴重品を入れた鞄を自分が座る椅子に残したままカウンターに注文に行き、席に戻ると荷物が盗まれていた。
住居侵入窃盗を防止するための対策
- 日中や夜間を問わず、外出の際は必ず鍵を掛けること
- 入居前に各出入口ドア、車庫等の鍵がしっかりと機能しているかを確認する
- 入居時、又は盗難や紛失の際は、可能な限り新しい鍵に取り替える
- 定期的に樹木の剪定を行い、視界を確保して泥棒に隠れる場所を与えない
- 梯子や踏み台等、屋内への侵入手段となるものを放置しない
- 在宅時も鍵をかける
- 来訪者に対しては、インターホン又はドア越しに対応し、来訪者の身分、要件等を確認する
- パソコンや貴重品等は窓の外から見える場所に置かない
たとえ数分でも家を離れるときは家の鍵をかける、室内灯や屋外灯、警報装置等を有効に活用するとともに、万一の場合に備え、貴重品や現金の保管場所を分散するなど工夫をしましょう。
外出先での被害防止対策
- ズボンのポケットなどに財布や貴重品を入れない
- トートバッグなど口の開いたバッグは避けて、金具やファスナーで閉められるものを選ぶ
- 空港やホテルロビー等では、所持品は常に自分の身の回りに置き、常に体に触れているよう心がける
- 多額の現金や貴重品は持ち歩かないこと
- 歩道を歩く際、バック等は車道と反対側に持つこと
- セキュリティーの整った宿泊施設を選び、貴重品はセーフティーボックスに入れるか、ホテルのフロントに預けること
- バックパッカーズ用の宿泊所、ユースホステル等では、現金、貴重品、旅券(パスポート)の管理を厳重にすること
スリや置き引きの被害にあわないよう、日頃から身の回りに気を配るようにしましょう。人が集まる場所はもちろん、電車やバスなどの公共交通機関での移動、普段の通勤や通学時にも注意が必要です。
過信は禁物、対策を習慣に
ニュージーランド国内の犯罪発生状況は、全般的に飲酒に絡む暴行・傷害、置引き狙い、空き巣等の窃盗事件が多いです。「ニュージーランドは安全である」と過信して安心することのないように、夜間の繁華街付近の人通りが少ない小道やダンスクラブ等で、見知らぬ者から声をかけられてもすぐに信用することなく、用心を忘れないようにすることが大切です。また、ニュージーランドに3ヵ月以上滞在される方は在留届の提出が義務付けられています。緊急事態発生時の際には、提出された在留届をもとに、大使館・総領事館から、安否確認・支援活動等が行われます。日頃からできる対策をして、自分の身や家族を守りましょう。
海外に行く際に、私たちはパスポートの携帯及び呈示が義務付けられています。日本及び外国の出入国や滞在、外国で事件などに巻き込まれた場合に自分が何者であるのかを証明できる大切なもので、海外渡航の際は命の次に大事とも言われるパスポート。失くさないことが一番ですが、外国滞在中にパスポートを紛失した万一の場合に備えて事前に必要な物を準備しておきましょう。
必要書類 ❶
★ケースに応じ下記書類
紛失した場合:警察署発行の紛失届出済報告書
焼失した場合:消防署発行の罹火災証明
損傷した場合:損傷した旅券
★戸籍謄(抄)本
*6ヶ月以内に発行されたもの
★有効なニュージーランド滞在ビザを確認できる書類
*e-visaや有効期限が記載された移民局のEメールを印刷したものなど
★「一般旅券発給申請書及び紛失一般旅券等届出書」をダウンロード
*手書き書式の申請書はパスポート申請窓口で入手できます。
★写真 2枚
・6ヶ月以内に撮影したもの
・縦45mm×横35mm
・無帽、正面向き(肩口まで写っているもの) 、無背景、サングラスまたマスク着用不可
・白黒とカラーのどちらでも
上記の書類を揃えて、日本国大使館(または総領事館、領事事務所)に提出をしましょう。
原則として申請日を含む6業務日目の午後以降に交付されます。
*紛失一般旅券等届出書が提出されると、その時点で紛失したパスポートは失効し、同届出書提出後に紛失したパスポートが見つかっても使用することができません。
パスポートの新規発給を受ける時間がなく、早急に日本へ帰国する必要がある場合はパスポートの代わりとなる渡航文書「帰国のための渡航書」を申請することができます。原則として帰国日の前日に交付されます。必要書類を揃えて、日本国大使館(または総領事館、領事事務所)へ提出しましょう。
*日本に直行して帰国する場合のみに使用することができ、第三国へ入国することはできません(他国での乗り継ぎは可能です)。
*紛失一般旅券等届出書が提出されると、その時点で紛失したパスポートは失効し、同届出書提出後に紛失したパスポートが見つかっても使用することができません。また、帰国後にパスポートが必要となった際には、各都道府県旅券窓口に「帰国のための渡航書」を返納したうえで、新規発給を申請してください。
必要書類 ❷
★一般旅券発給申請書を除く上記全書類(必要書類❶)
★紛失一般旅券等届出書
*申請窓口で入手できます。
★航空券または予約確認書、旅程日程表
出典元:在オークランド日本国総領事館 取材・文 GekkanNZ
※情報は2022年10月現在のものであり、日本国大使館(または総領事館、領事事務所)の最新情報をご確認ください。