2024年8月のカウンシルニュース

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ホームレス支援には共感が必要

コンプライアンスオフィサーのジーナ・ウールストン氏は、あるホームレスのフレッド(仮名)に出会う。はじめに声をかけた時は彼は関わりたがらなかったが、10日間見回りを続け図書館前で本を読んでいる彼に横に座り再び話しかけると、彼は今までに何があったかを話してくれた。フレッドは癌治療中の患者であったが、病院に通う交通費、家賃が払えなくなり路上での生活を送ることになったことがわかった。彼は、「ただ暖かいベッドで横になりたいだけだ」と話したという。ジーナ氏は、カウンシルの担当者に事情を伝え、フレッドは緊急の宿泊施設に入居し、病院近くのモーテルに滞在し治療を続け、今は自宅に戻ることができたという。カウンシルのコンプライアンスチームは、ホームレス問題に関して強制よりも共感を優先し、思いやりを持ったアプローチで取り組むことが長期的な解決につながると考えて、ホームレス支援に取り組んでいる。

ホームレス支援には共感が必要
© Auckland City Council

AT HOP、週の運賃上限額50ドルに

オークランドの公共交通機関利用者に対して、1週間の上限運賃を50ドルに設定した。ATのバス、電車、フェリー乗車料金が対象となる。市長のウェイン・ブラウン氏は、「オークランドの長期計画(LTP)では、公共交通機関への支出増加を掲げている。そのために交通機関をより便利にすることが必要であり、今回の上限額設定は、その一環の取り組みである」と話す。1週間で50ドル以上の交通費がかからないことが事前にわかることで、予算を組みやすくなり、これまで以上に多くの人が公共交通機関を利用するようになることを期待している。最初のHOPカードのタグオンから1週間後の午後11時59分まで適応される仕組みだ。

ATHOP、週の運賃上限額50ドルに
© Auckland City Council

より環境に優しい未来のために

パパクラの子どもたちが、自分たちで野菜を植えて育てている。マヌレワ・パパクラ地区の市議会委員ダニエル・ニューマン氏は、子どもたちが新鮮な食べ物について学ぶ機会を作りたいと考え、地元の不動産会社と環境美化の活動をしている慈善団体などの協力を得て、子どもたちが、自分たちの手で野菜を育てたり、どこから食べ物がきているのかを学ぶことができるように農園を作った。昨年は、子どもたちはカボチャを育て、チップスやスープを作ったという。この活動は地域の住民ら誰にでも開かれており、リタイア世代の住民らが、小屋の修復に手を貸してくれたりと助け合いの輪が生まれている。

より環境に優しい未来のために
© Auckland City Council

カウンシルが受賞

カウンシルの革新的な取り組みや、創造的な活動が評価されている。フライバーグ・ストリート地区の交通道路の安全性が評価され、「ゴールデン・フット・ウォーキング・アワード」でアーバン・コネクション賞を受賞した。副市長のローリー・フーン氏は、「次世代のために、献身的に尽くした人々の努力のおかげであり、素晴らしいことだ」と喜びを表した。他にも、公共バスに「Lesbians are everywhere-レズビアンはどこにでもいる」をプリントしたプロジェクトや、昨年路上で行われた「Kō Te Reo O Ngā Tāngata – The People’s Voice」の展示などのシティ・アーツのプロジェクトがノミネートされた。副市長は、「パブリックアートの重要な役割が認知され、私たちの街をより活気に満ちた場所にしてくれるだろう」と語った。

「ゴールデン・フット・ウォーキング・アワード」でアーバン・コネクション賞を受賞
© Wellington City Council

コミュニティ主導のマーケットが好調

キャンベル通りとカロリ通りの間に位置するコミュニティスペースで、毎週金曜日の午後4時から8時まで「Food Truck Friday」、毎週土曜日の午前9時から午後1時まではファーマーズマーケットが開催されている。パンデミックの影響で閉鎖されていたファーマーズマーケット。多くの人が再開を望んでいることを知ったカロリ在住のイベントプランナーのシャロンさんがプロジェクトを立ち上げた。元々空き地であったスペースを人々が心地よく過ごせるコミュニティ・ガーデンとしての機能も果たせるように設計。テーブル、芝生、砂利などスペースに必要なものはほとんどコミュニティ、カウンセル、地元企業からの寄付で集まったという。「Food Truck Friday」では、環境への配慮にも積極的だ。ウォッシュトラックを用意し、使い捨ての食器を使わずリユースできるような仕組みを作り、ゴミの削減を成功させた。

ファーマーズマーケットが開催
© Wellington City Council

ローラースケート全国大会優勝―馬場さん

7月にWellingtonで開催されたアーティスティック・ローラースケートのニュージーランド全国大会で初優勝を飾ったシニア・スケーター、馬場敬子さんは、国際大会「Oceania Artistic Skating Championships & Pacific Cup」のマスターズ・フィガーズの部3連覇を成し遂げた覇者だ。ネルソン・アーティスティック・ローラースケート・クラブ所属。昨年は怪我で涙をのんだが、今年は67歳という年齢を感じさせない軽やかな滑りで見事勝ち星を挙げた。例年はニュージーランド全国大会の後に国際大会が開かれるが、今年は順番が逆になった。そのせいもあってか、6月の国際大会で優勝を飾ったあと、しばらくは抜け殻状態。3週間後に控えるニュージーランド全国大会に向けて再度ギアを上げ直すのが難題だったという。馬場さんは、全国大会のトロフィーを手に「今後の課題は、少しずつ老いていく自分の体の変化とどう向き合うかだ」と述べた。

ローラースケート全国大会優勝―馬場さん
© Keiko Bamba

象徴的な歴史的建造物、修復へ

モナ・ヴェール・バスハウスの修復および補強工事がまもなく始まる。カンタベリー地震の影響を受けたモナ・ヴェール・バスハウスは、小さいながらも魅力的な建物で、鉄骨ではなく、精巧に作られた木造の骨組みとガラスの格子を使用している。予算の問題で、工事は2029年に延期される予定だったが、建物のさらなる劣化が懸念され、クライストチャーチ植物園の友の会は昨年から修復費用を支援するための募金活動を開始した結果、多くの支援が集まった。1905年から1914年の間に、エドワード朝の温室を再現するように設計されたこの建物は、元々は温水プールとして使用されていた。修復後には、亜熱帯植物園としてコミュニティに開放される予定だ。

モナ・ヴェール・バスハウスの修復および補強工事がまもなく始まる。
© Christchurch City Council

図書館の料金変更、無料へ

クライストチャーチの図書館の成人会員の取り置き料金が無料に変更になった。7月1日から施行された。2022年には延滞資料に対する罰金が廃止され、取り置き料金が3ドルから2ドルに引き下げられ、翌年の図書館の新規会員数は前年比で10%増加し、予約サービスを利用する人は16%増加した。カウンシルは、今回の変更によって、これまで以上に多くの人が図書館を利用できるようになることを目指す。人気図書への予約が増える可能性が考えられるが、場合によっては蔵書を増やすなど対策をしていくという。

クライストチャーチの図書館の成人会員の保留料金が無料に変更になった。
© Christchurch City Council

自転車修理を通してコミュニティとつながる

毎週木曜日の午後、アラヌイ・バプテスト教会には人々が集う。自転車の修理や試乗をする人もいれば、ただお茶を飲んでお喋りをすることを楽しむ人たちもいる。主催者のスティーブン・ミューアさんは、3年前から無料の自転車修理サービス「Aranui Bike Fix Up」の活動をはじめた。アラヌイには自転車の販売店が少ないため、自転車を修理するサービスや新しい自転車を入手できる場所が必要だと考えた。今では、定期的に自転車が寄付され、ボランティアによって修理され、必要な人々の手に渡っている。これまでに約1,000台ほどの自転車が寄付されたという。昨年は、カウンシルの「Summer with Your Neighbours」の資金を活用し、コミュニティの人々との交流のためのバーベキューを企画した。「いつも教会に来る子ども達の両親と挨拶ができ、多くの人が集いつながる機会を作ることができた」とミューアさんは話し、今年も「Summer with Your Neighbours」プログラムに申請予定だ。

自転車修理を通してコミュニティとつながる
© Christchurch City Council

情報提供:Auckland City Council / Christchurch City Council / Wellington City Council

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