2月13日に発表された新型コロナの新たな市中感染数は810件で、前日発表の454件からほぼ倍増した。810件のうち77%がオークランドで、97%が北島でカウントされているが、ネルソンやカンタベリーなど南島でも21件が報告されている。
オタゴ大学の疫学者であるマイケル・ベイカー教授は、この公式発表はオミクロン株の広がりを正しく反映していないと指摘し、実際の感染数はその10倍にもなりうると述べた。その理由は、無症状感染者の存在と発表までのタイムラグだという。
ベイカー教授は2月14日、RNZ(ラジオ・ニュージーランド)のインタビューに対して、「ワクチンを接種を受けている人は、感染しても無症状のことが多いが、ウィルスを感染させることはありうる」と述べ、「感染しても無症状や軽微な症状の人は、検査を受けないので把握されない。公式に確認されている感染者1人ごとに5人の把握されない感染者が存在する可能性がある」と指摘した。
さらに同教授は「感染数が急速に増加している時、公式に発表される数値は、おそらく1週間前の状況を反映したものとなる。」と説明し、「感染者の潜在とタイムラグという二つの要因を考慮すると、実際の市中感染者数は、公式発表より桁違いに大きくなりうる」との見解を示した。
政府は、オミクロン株対策としてマスク着用義務の強化と3段階の対応を発表しているが、ベイカー教授は、この第2段階(フェーズ2)への移行が迫っているとの見解を示した。