ニュージーランド食品安全局(New Zealand Food Safety, 以下NZFS)は、ベイ・オブ・プレンティ(Bay of Plenty)地域から採取された貝類を収集したり消費したりしないよう国民に警告している。ワイヒビーチ(Waihi Beach)産のトゥアトゥア貝(tuatua、ニュージーランド固有種の食用二枚貝)の定期検査で、麻痺性貝毒の濃度が安全基準の2倍以上であることがわかったという。
対象となるエリアは、パウアヌイビーチ(Pauanui Beach)の南端からタウランガハーバーまで。
対象の貝類は、ムール貝(mussel)、カキ(oyster)、トゥアトゥア(tuatua)、ピピ(pipi)、トヘロア(toheroa)、ザルガイ(cockle)、ホタテ貝(scallop)などの二枚貝のほか、ププ(pūpū、キャッツアイ)やサザエ(Cook’s turban)などがある。キナ(Kina)は今のところ安全に食べられる。貝類の毒素は、加熱調理しても除去されない。麻痺性貝毒の症状は通常、食後10分から3時間以内に現れ、次のような症状が現れることがある。
●口、顔、手、足の周りのしびれやチクチク感(チクチクする感じ)
●嚥下困難または呼吸困難
●めまいと頭痛
●吐き気と嘔吐
●下痢
●麻痺や呼吸不全、重篤な場合には死亡
パウア、カニ、ザリガニは、毒素が腸内に蓄積するため、調理前に腸を完全に取り除いておけば食べることができる。腸を取り除かないと、調理中に腸の内容物が肉を汚染する可能性がある。魚類はこの公衆衛生警告の対象外だが、調理前に内臓を取り除き、肝臓を捨てることが望ましい。
現在のところ、NZFSには関連する病気の報告は届いていない。公衆衛生警告が発令された地域で採れた貝類を食べて体調が悪くなった場合は、ヘルスライン(電話番号:0800 61 11 16)に電話しアドバイスを求めるか、すぐに医師の診察を受けること。また、最寄りの公衆衛生局に連絡し、検査が必要な場合に備えて残った貝類を保管しておくことが望ましい。