いよいよFIFA女子サッカーワールドカップが今年2023年7月に開幕する。クラブチームのユースには女子選手も多く在籍し、サッカーを学んでいる。今回は、現在のニュージーランド女子サッカーNorthern Leagueでの状況や、参戦しているクラブチームで活躍している日本人女子選手をピックアップしご紹介する。
西園 雪乃
Yukino Nishizono
ポジション:DF。大阪府出身。FC吉備国際大学を経て、アンジュヴィオレ広島、ディアヴォロッソ広島に加入後、ニュージーランドへ渡航し、Eastern Suburbsに加入。
吉田 紗季
Saki Yoshida
ポジション:MF/DF。群馬県出身。浦和レッズレディースジュニアユース加入、子どもたちへのコーチングも経験し山梨大学を卒業後、ニュージーランドのEastern Suburbsに加入。
5月末時点でNorthern RegionではAuckland Unitedと、昨年の覇者であるEastern Suburbsが接戦の状況だ。Auckland Unitedは初戦でこそEastern Suburbsに敗れたがその後は持ち直し好調。ニュージーランドの女子サッカー監督ではベストと言われるベン・ベート監督を迎えている。一方、Eastern Suburbsも一時期低迷したものの持ち直し勝利を重ねている。最初の取材である4月16日のEllerslie AFC戦ではまさにその不調時だったが順調にペースを取り戻し、現在首位を争う形だ。
日本らしいプレーも活かしチームと協調
昨年、日本からニュージーランドへやってきて一人でクラブへ飛び込み、Eastern Suburbs女子ファーストチームでMFとして中盤で冷静なボールさばきをしながら活躍する吉田紗季選手、そして今年加入し調子を上げてきているDFの西園雪乃選手にお話を伺った。
ニュージーランドへ来て言葉の壁もある中、チームでのプレーはいかがでしょうか。
吉田:「昨年の加入時など、最初は英語に馴染むのも大変でしたが、プレーではチームの選手たちと意思疎通が出来てきています。ただ、プレースタイルの違いはやはりあるので、そこをどう協調していくかで悩むことはあります。監督とも戦術について練習後に話し合うことも。しっかり話を聞いてくれて、その姿勢にはとても感謝しています」
日本とニュージーランドのプレースタイルは男子サッカーでも違うそうですが、女子サッカーではどのような違いがありますか。
吉田:「身体作りをしっかりしているニュージーランドの選手はあたりも強いので、もっと筋トレをして身体を大きくし、あたりに強くなろうと思うようになりました。またどんどん切り込んでいこうというメンタルのようなものも学ぶところがあります。ただ、状況を見て切り込むか戻すかなど、どうするかの判断は一緒にやっていくことでもっと連携を良くしていくことができるのではないかと思っています。パス回しのようなベーシックな部分や場面場面での判断力では日本人選手は精度が高く、強みがあると感じます」
4月16日のEllerslie AFC戦では引き分けという結果だったが、どんな点を改善していきますか。
西園:「当時カウンターを受けることが多く、カウンターを防ぐ連携を強化していくことはひとつの課題と言えます。監督や選手とも話し、攻め込んでいるときに中盤が空き過ぎないようにしていければと思います」
現在試合結果が好調ですがきっかけのようなものはありましたか?
吉田:「どちらかと言えば、4月の不調時の連携が普段に比べ上手くいっていなかったという印象があり、修正して現在は自分たちのいつもの調子を取り戻すことができています」
Northern Leagueを勝ち上がればニュージーランドの他地域から勝ち上がってきたクラブとのNational Leagueへ突入する。ペースを取り戻し好調なEastern Suburbs、そして吉田選手、西園選手の今後の活躍が楽しみだ。
2023年6月号掲載
Text: GekkanNZ