開催地モロッコでAuckland City FC(以下AC)が準備を整え、臨んだ初戦の相手はエジプトのチーム、アル・アハリ。実はお互いの過去実績から見れば手強い相手だ。しかしACも、岩田さんが出場した2014年で大会3位につけている。実力は近いことが予想されており、お互いに油断はできないが勝ちたい相手だと想定して試合に臨んだのではないだろうか。まず試合開始序盤はアル・アハリ優勢で始まり、何度かヒヤッとする場面もあったものの、徐々に競り合いの場を相手ゴール側へと押し返し、ACもコーナーキックなどチャンスを作り始める。コーナーキックは増えていくもののなかなかお互いに決められず、両者カウンターを仕掛けていきフィールドを駆け回る厳しい戦いになる中、アディショナルタイムは2分の掲示。この間にアル・アハリが攻め込む状況になり「ここを守り切って後半へ」のムードも感じられたが、守勢にまわった残り1分のところで決められてしまう。
1点ビハインドで始まった後半。気持ちを切り替えて余裕が出た相手の隙をついていけるか、それとも相手が波に乗ってしまうか大事な局面だが、攻勢に出ていくものの相手も攻め込み、後半14分前後でACのDFをアル・アハリのFWがかわし、GKと一対一の状況になってしまう。そこで決められてしまい、点差は2点に。しかしまだ試合は残り30分以上、ここで返していけるかという正念場に。ここで立て続けにメンバー交代をし、ムードを変えて立て直しを図るAC。対してアル・アハリも交代を始め押さえ込みにかかる。投入されたAC若手選手が諦めずにシュートを打って狙っていくが、この試合でチームは苦しくても、国際舞台でチームに貢献し、プレーヤー個人としての実績も作りたいところだ。この時点でボール・ポゼッションはアル・アハリ48%、AC39%。
さらに後半終了間際、アル・アハリがダメ押しの3点目を決めてしまう。ここでアディショナルタイムは4分。これ以上の点差は避けたいAC、自陣のゴール前で相手FWを止めようとして反則を取られてしまう。審議が長引き、どんどん時間が過ぎていく中、レッドカードを出され、ペナルティエリアでフリーキックのピンチを守ったところで試合終了。
結果としては残念であったが、今後の課題も見えたのではないだろうか?相手のシュートコースに割り込んでいく俊敏さ、ボールに食らいついていくプレースタイルの必要性、スタミナ、またトラップの精度をあげるなども今後強化していく必要があるのではないだろうか。余談だが、今後日本人プレーヤーがニュージーランドに増えていくなら、ぜひ日本の精度の高いベーススキルや、ボールをある程度追いかけていくサッカースタイルも取り入れてほしいところだ。
また、今回の開催地までの練習試合などで得られたものもあるだろう。FCバルセロナの二軍と実際に戦うことで相手のプレースタイルを体感するなど、たくさんのものを今回選手たちは吸収したはずだ。
ぜひ今回持ち帰ったものを今後に活かし、ニュージーランドのサッカーを盛り上げていってほしい!
Text: GekkanNZ