こんにちは、GekkanNZスタッフのコバンザメです。
現在、Auckland Museumで開催中の企画展「Egypt: In the Time of Pharaohs」へ先日メディア向けプレオープニングイベントにご招待を受け、参加してきました。
Auckland Museumご担当者様、ご招待いただきありがとうございます。
当日のイベントはメディア向けということもあり、ミュージアムの一般公開終了後からスタート。館内はライトダウンし始め、入口のT-Rexを横目に映画「ナイトミュージアム」を思い出しながら、会場へ。
会場では、軽食・飲み物が用意されており、他のメディア担当者と今回の展示について意見を交換したりなど、メディア向けイベントならではの同業者交流会でした。
いよいよイベントスタート。
ヨーロッパ史に造詣の深いオークランド博物館長デビッド・ゲイムスター博士より、350点以上のオリジナル工芸品(中には4500年以上前のものもある)を展示し、最新の研究成果も紹介するというニュージーランド初の大掛かりな古代エジプト展を開催できることの喜びがひしひしと伝わってくる考古学への思いが溢れる熱いスピーチでした。
デビッド・ゲイムスター館長スピーチのあとは
世界的に有名なエジプト考古学者レジーネ・シュルツ氏の登場です。レジーネ・シュルツ氏はミュンヘンを拠点としており、大学教授でありますが、ドイツのヒルデスハイム博物館ディレクターも務め、エジプトのラメセス大王の都市の発掘など、多くのプロジェクトに携わっています。今回のオークランドミュージアムのエジプト展示の共同キュレーターも務めています。
レジーナ氏は、古代の人々にも日常があり、上司との人間関係に悩んだり、恋に焦がれたり。労働者はビールを好み、貴族はワインを嗜む。日常は何千年という時を超えても「生活」として存在する。展示を通して、古代がより身近であるという親近感を持っていただけたら、大変嬉しい。とこちらも古代エジプト研究について熱く語っておられました。
スピーチのあとは展示スペースでゆっくりと閲覧タイムです。
展示スペースに入り、印象的だったのは、コンパクトに一つ一つの展示をみやすいように
まとめられていることでした。恐竜展のようなダイナミックな展示というよりは、美術と歴史の教科書を合わせ、じっくりとオブジェに入り込み、思いを寄せる。見ながらじわじわ・ザワザワと古代を感じることができました。
おなじみのピラミッド模型。現代の形となっていますが、建設当時は大理石に覆われて白く光っていたと言います。
象形文字で語られるファラオの物語やピラミッドや寺院の驚異的な工学技術から、精巧な装飾品や複雑な職人技まで。
彫刻に見られる細かいディテールを表現できる職人の技が素晴らしい、機械道具なんてものは、なかったこの時代、どんな道具でどんな場所で作ったんだろう、と想像力を掻き立てられます。
ツタンカーメンと言った王家ばかりではなく、どのようにして国家が形成されていたのか、人々の暮らしは王やナイル川の恩恵を受けていたのか。
今回の展示では生活や文化にも注目し、臨場感あふれる展示品、縮尺模型が、長い間失われた墓、都市、記念碑の畏敬の念を抱かせる威厳を再現し、エジプト社会がどのように暮らし、働き、崇拝されていたかを示しています。
その時代の背景を汲み取るために、限られたスペースのため人数制限の元、ゆったりと楽しむことができます。(ウェブサイトや受付で要来場予約。)
つけ髭で男装して王として振る舞ったハトシェプストや、最近の研究では王族の最長寿命は100歳など、この企画展で、さらに古代エジプトへの興味が強くなりました。
またじっくり鑑賞したいな、と思いつつライトアップされたミュージアムを後に。
11月12日まで開催されています、ぜひ古代エジプトの世界を探索してきてください。