1880年創業の豊かな歴史を持つ、ニュージーランドを代表するデパートSmith & Caughey’sの新しくギャラリーとして開放されたスペースでの「World press photo exhibition 世界報道写真展2023 」 へ行ってきました。
Smith & Caughey’sのエレベーターで5階を降りると、コンクリートそのままの無機質な空間が広がり、窓からはシティに立ち並ぶビルの景色がちらほらと。
World Press Photo Exhibitionは、世界中の写真ジャーナリストがカメラに納めた報道写真を展示する展覧会で、世界中のさまざまな地域で巡回展示され、7・8月はオークランドでの開催。
ニュース、報道、スポーツ、自然、人物などの様々なジャンルから選ばれ、その年の社会や文化的な出来事、自然の美しさ、人間の営みを捉えた60,448枚を超える応募作品から選ばれた作品は、現在進行中の社会的問題を題材として、1枚に限定されないストーリー性を表現したディスプレイも見どころの一つ。
ヘッドフォンマークの表示がある作品は、会場内のQRコードより写真展のサイトにアクセスすることで、作品の解説が聞けるオプションが付いています。
解説を聴きながら作品を鑑賞できるので、視覚だけではない、作品がどのような思いで撮影されたのかを知ることで、写真を鑑賞する感銘が深まり、写された人々の呼吸が聞こえるような、そんな錯覚を覚えました。
現在進行中の胸詰まる出来事が作品として並べられ、活字やニュースサイトで一瞬現れる画像を目の前で改めて直視しながら、自身の生活から離れたところで起きている現実に、この国で何ができるか、私たちの責任は何かと問いかけが終わることのない気持ちが広がりました。
8月20日まで開催のこのイベント、写真を通して世界で起きている現実を生活している人々の息遣いを感じてみてください。
書き手:コバンザメ